6億人の利用者はふかし

 テレビの公共性をどうたらこうたら。ネットで言う「マスゴミ」
を完全否定できないのはその「自浄能力」のなさです。

分かりやすいところでは自社社員の痴漢やセクハラなどの報道は
戒厳令がひかれ必要最小限しか報じず、他社のネタなら嬉々として
報じます。

また、自分がフジテレビのアナウンサーであることをちらつかせ
セクハラ、不倫をしたケースなどは、いまではすっかりなかったこと
になったようで、地上波に出演している社員がおりますが、

「セクハラ、不倫、パワハラ」

と、これが一流商社の事件なら

「由々しき問題です」

と小倉智昭さんあたりが、したり顔で苦言を呈するのでしょう。

そして「内容」に関してもそうです。

利益と比較して、べらぼーに安い「電波使用料」しか払っていない
テレビ局は限られた電波を独占する担保として「公共性」を謳います。

そこが単純な営利企業と違うのだという言い訳になっているのですが
昨日、フジテレビ系列で報じられた

「世界おもしろ珍メダルバカデミーUSA」

の番組紹介にはこうあります。

「家族そろって笑えるおバカ映像番組決定版!」

番組の終盤に流されたのは、パンツをお尻に食い込ませて、そこに
カスタネットをはさみ、ブルーハーツの「リンダ・リンダ」を歌い
ながら、尻の肉の収縮と解放を繰り返し音をならすというものです。

演奏者は知り丸出しの半裸。

の、どこに「公共性」があるのでしょうか。
だいいち、家族揃っては笑えません。

もともとはネットの動画投稿サイトにあった映像で、それなら
問題にはしません。ネット全体には公益性は求められますが、
個別のコンテンツは利用者の意思で選択されるもので、そこで
超馬鹿、くだらない、下劣、低俗な映像を流したとしても、視聴者
の趣味嗜好による選択に過ぎないからです。

テレビもチャンネルを替えれば同じだろう。という意見にはノー
です。テレビは野放図に電波に乗せて流されているのではありませ
ん。国家管理された電波を独占的に使用する権利を得ており、
そこに流して良い「映像」というのは自ずと制限されなければ
ならないと考えるからです。つまり、放送免許という「特権」を
得ている以上、社会的責任が生じるということです。

100歩譲って、これがシンデレラが帰宅した「深夜」ならば
ありかも知れません。この時間帯は「よい子」は寝ているはずで
すから。

よしんば1億歩ゆずって、番組スタッフや出演者が一丸となっ
て「馬鹿」をやっているなら認めましょう。無駄なことこそ文化
という主張に一理ありますし、そうした無駄なら私は大好きです。

そのばあい、子供と見たとしても、こうした馬鹿な映像をとる
ためにADが体をはって実験し、出演者も交えて何時間も議論を
し、受けなければ反省会をするという裏側を語るのも、社会勉強
につながることでしょう。

ところがこれは「ネット映像」。それもすでにネット界では
著名なお馬鹿映像で、スタッフがしたことといえば、ネットで
検索して関係者に使用許諾をとっただけ。

どこに「公共性」があるのでしょうか。

ゴミのような放送を撒き散らかしている以上、「マスゴミ」と
罵倒されても反論できません。

そして、ひさかたぶりに本業がらみのネタを。

まぁ「マスゴミ」の相似形が「Web業界」です。
頭に「日本の」といれるべきでしょうね。

双子のようですが、キャリアからみれば「一卵性親子」といった
ところでしょうか。あるいは「一子相伝」。

Webにはゴミのような情報が散乱しています。

あ、ここで「ゴミじゃない、リサイクルすれば資源だ」という
オチを思いついたのですが、あまりにもくだらなすぎるのでここで
浪費しておきます。

根拠なく、なんでも騒ぎ立てて本質をスルーします。
公共性などそこにありません。分かりやすく言えば

「これからは●●の時代!」

と囃し立てて、それが外れても反省も謝罪もしないどころか
言及すらしません。ケツでカスタネットを叩く映像のほうが
まだマシです。ケツカスタネットは「コンテンツ」を作りますが
Webのゴミ情報とは、流行を無理矢理作ろうとするあまり、
脅迫、恫喝、恐喝まがいの発言を繰り返す連中の発言です。

ことしは「Facebook(フェイスブック)」。

フェイスブックとは平たく言えばアメリカ版のミクシィで、
世界中に6億人の利用者がいると喧伝されています。

Web担当者Forumの原稿でも書きましたが、このネット
サービスを否定するモノではありません。海外向け、とりわけ
英語圏の人間と商売をしたいのなら、フェイスブックが果たす
役割は大きく期待してもよいでしょう。

しかし、これが「インフラ」になるという主張のくだらなさ
には鼻水が垂れてしまいます。ブログの時もセカンドライフも
最近ではツイッターでも同じことをいわれていたことです。

そして脅迫とは「やらなければ××」、恫喝とは「取り残さ
れる」、恐喝とは「今すぐ!」。はっきり言いましょう。

やらんでもOK。やりたければどうぞ。

ここは日本です。グーグルが世界制覇したと喧伝されて久し
く時が過ぎても、「ヤフー日本城」を攻めきることができず

「万年2位」

だったことをWeb業界人は口にしたがりません。
結局、検索エンジンの提供という「同盟」のような形で、

「日本制覇」

となった訳ですが、グーグル礼賛派の多くが、グーグルの
テクノロジーや開発者魂、マッドサイエンティスト的な要素を
喧伝していたのに、その手法は「大人の取引」でした。そして
日本のWEB業界人は口にしませんが、グーグルの世界制覇の
大半が「大人の取引」で、純粋にネットサービスの利用者を
増やして世界制覇したわけではありません。グーグルのそれは
ビジネス戦略として見事で賞賛に値します。しかし、その
本質に触れずに礼賛を繰り返すのが日本のWEB業界人の
言論の特徴です。

いま、フェイスブックを礼賛する連中はその「実名性」を
喧伝します。たしかにフェイスブックの規約上は「実名」と
なっています。

しかし、かつての「ミクシィ」が実名と謳われたことが
幻と消えたように、フェイスブックがならないわけがあり
ません・・・というかすでになりつつあります。

偽名や変名、ペンネームで登録している人は数知れず、
・・・・と、いうより、Web業界人の少なくない人間が
匿名でアカウントを取得していないと信じるほど、私は
ウブなねんねじゃありません。

かつてのミクシィ。さいきんのツイッター。

どちらも「実名推奨」とされるなかで、数々の著名人が
偽名アカウントを取得していたのは公然の秘密です。ある
Web著名人は著書でどうどうと複数のアカウントを取得
していることを記しています。

ここからみても「6億人の利用者」が「ふかし」にみえて
仕方がありません。

それは、チュニジアやイランなど国情が不安定な国で
フェイスブックが政権交代に役だったという声からもです。

まず、他に連絡手段があれば、そちらを採用したことで
しょうし、セカンドベストの選択肢としてフェイスブックや
ツイッターが利用されたと見るべきでしょう。それに、
そうした「命がけの政治活動」をするものが、ひとつの
アカウントだけを利用するのは現実的ではありません。

本当に実名でひとつのアカウントだけで「つながる」とし
たら、当局がひとりを拉致してしまえば、あとは芋づる式に
逮捕できるからです。命がけの反政府活動をしている方々が
そんなマヌケだとしたら、転覆した政府は相当のお人好し
です。

そこからみれば利用者数の水増しは世界規模と考えるの
がリアルです。

もちろん、これはフェイスブックの責任を問うのではなく
ネットのリアルをしっていれば、誰もが気づき、そして
気づいていてもクチしないところが「マスゴミ」とそっくり
なWeb業界という指摘です。

自分たちに都合の良い結論のために「公共性」を弄ぶように
「実名性」をもてはやしています。ケツカスタネットに公共性
はなく、日本のWEBに実名性は馴染まないのです。

実名性についても少し補足しておきます。

多国籍な移民国家のアメリカと、そこから繋がる経済圏
において「自分(アイデンティティ)」を証明するのは
生き残るために当然の作業で、ネットにおいてもそれは
同じです。そのため「実名」を隠す労力と、公開することで
減る労力(自分の存在証明)を天秤にかけて、得だと思う
から実名を公開できるのです。

翻って日本はどうでしょうか。語弊を怖れずに言えば単一民族の
村社会です。リアルの世界でどこの誰かを証明することは出身学校
でも語れば充分で、ついでに世界に冠たる戸籍制度もあり、素性を
「洗う」のは簡単です。

そして村社会故に、放り投げた発言が一生を縛るレッテル
となることもあります。

最後に新聞のゴミっぷりにも言及しておきましょう。

日経新聞の厚顔ぶりは先日紹介しましたが、今回はナベツネ新聞。
もとい「読売新聞」社会面より

<就活「3年終了後から」 国立、私立大側 初の見解>

いわずとしれた大学生の就職活動の時期について、国立大学協会
と私立大学団体連合会で就職問題を担当するふたりの学長への取材
結果で、それぞれこう述べている、同じ紙面の右下にはこうあります。

<読売新聞社 技術総合職を募集中>

要件のひとつはこうです。

<4年生大学を2012年3月までに卒業見込み>

ま、「募集」や「告知」ならありかも知れないと読み進めると

<応募締め切り 2月22日(火)必着>

つまり、現役なら大学3年生までが対象と言うこと。

これも「舌の根の乾かぬうちに」というのでしょうか。それとも
「まだ決まっていない」、あるいは「法律で禁止されていない」と
でもいうのでしょうか。

なんだか懐かしい、あの人のこんな台詞が脳裏をよぎります。

「お金儲けしちゃいけないんですか」

ケツカスタネットに盲目的な礼賛。取材結果を無視した自己利益の
追求。そこにモラルや道徳という言葉は見つかりません。

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