歳費に文句をいう人はいません

 議論の終盤でもっともやってはいけないことは「そもそも論」を
持ち出すことです。もうすぐ結論が出ると一同が安堵しかけた時に

「そもそもこの問題は」

と「ふりだし」に戻ってしまうからです。意見を持たない議論好き
によくみられる傾向です。議論を繰り返すことで「存在感」を
アピールする狙いですが迷惑です。

また、緊急事態発生にも「そもそも論」はタブーです。

「そもそもこのような事態になったのは」

かかる緊急事態に対応すべきときに議論の原点にもどっては
時機を逸してしまいます。

しかし、そもそも、そもそも論がでるシチエーションはそもそも
の議論がそもそもなされていないからです。すいません、遊びすぎ
ました。

今回はそもそも論。

私は会社員時代「会議好き」でした。意見はあります。ありすぎ
るから部内の民意を問う場である会議で諮りたくてうずうずしてい
ました。

特に営業部内の「改革」を任されてからは、「そもそも」の見直
しが必要で、繁忙期にはできない議論とチャレンジを「平時」に
行う必要性を痛感していたからです。

緊急時にはことにあたります。根本を見直すより、薄氷でも
駆け抜ける方が正解という場面は多々あります。しかし、毎度
走り抜けることができるかはギャンブルです。そこで、平時に
迂回路を探し、筏を用意して、橋を架けるために「そもそも」の
議論が必要なのです。

これは「国政」でも一緒。民主党の内紛劇もひと段落となったの
でいまやるべきことは「そもそも論」をこねくり回す・・・もとい
大本の議論を深めるべき時なのです。

まずは「国会議員定数削減問題」。

これを金科玉条に掲げる人がいますがナンセンスです。
日本の国会議員は国民割りでみると、世界比で決して多くあり
ません。

問題は「働かない国会議員の多さ」・・・コホン、間違えました。
やり直します。

あ〜問題は「選挙のことしか考えていない国会議・・・・」あれ、
おかしいなぁ、再度。

問題は「国会議員の給料の高さ」なのです。

国会議員が年収200万円なら誰が文句をいうでしょう。
本会議で居眠りしていても目くじられたてることもないでしょう。
選挙のときだけ挨拶に来ても「大変だねぇ」とお茶の一杯も
ご馳走します。

国会議員は法律の決めるところで年収約3500万円です。
文書通信交通滞在費は別だという突っ込みに私は答えません。 

事務所費でキャミソールを購入する大臣がいて、非公開の
文書通信交通滞在費はすべて文書と通信と、交通と滞在費で
使われているとは信じるほどお人好しではありません。

仮にこれをさっぴいても年収2300万円です。

200万円とは、少々大袈裟にしても平均年収
(これも色んな統計がありますが)の4〜500万円、そこに
多少「色」をつけて、

「国会議員は年俸600万円」

にしてしまえばいいのです。これならひがみもやっかみも生
まれません。文書通信交通滞在費、あるいは書籍や取材などに
かかる経費は領収書を添えれば「全額支給」、また領収書をとれ
ない事情がある場合は、その旨を報告書にまとめて提出し、
第三者委員会で「国益に叶う」となれば全額支給し、報告書は
非公開として、20年後に全面公開することにするのです。

いかがでしょうか?
政治屋さん方面からクレームが聞こえてきます。

「それでは政治家のなりてがない」

・・・バカをおっしゃいな。世の中には銭金よりも使命や理念に
殉じる人はそれなりにいます。永田町、霞ヶ関の自己保身が
なにより優先される世界ばかりではないのです。

食べること、政治活動ができれば充分という「志」をもつもの
はおり、まして年収600万円もらえれば、飛びつく若者も
いるでしょう。

いまの議員歳費3500万円あれば5〜6人は「雇える」の
で雇用対策として国会議員の定数を増やすという選択肢もあります。

あ、また幻聴が聞こえてきました。

「選挙には金がかかる。これでは金持ちしか選挙に出られない」

・・・金持ちが前首相なので、この主張の説得力はちょっと
首をかしげるのですが、そもそも

「政党助成金」

はなんのために支払われているのでしょうか。

「政治に金がかかりすぎる」

ことの補填だったのではないでしょうか。それこそ「政治と金」
の問題をおこさないために。

そもそもです。

政治家の働きぶりに納得していないから、歳費が高すぎ、
定数を削減しろと言う議論が持ち上がるのです。

政治に納得していれば、歳費に文句をいう人はいません。支持、
不支持で意見が分かれるでしょうが、石原慎太郎東京都知事や、
大阪府、宮崎県などの著名知事に対して「給料貰いすぎ」という
声は聞こえてきません(自主返納などは別要素なので取り上げません)。

そもそもの問題は人数ではなく「コストパフォーマンス」。

そこへの不満があるのですから、議員へ支払う「コスト」を下げ
て見合う代金にしたらどうかという提案です。

さらに「政治に金がかかる」というから「政党助成金」で
お金をあげているのです。お金をあげて政治と金の問題が浮上し
さらに政治に金がかかるといまだに宣う議員が多いと言うことは
制度が失敗だったということです。ならば、減らすかなくすのが
当然でしょう。

企業経営でいえば「無駄な投資」ということ。

また、経営的視点で言えば「経費削減」は、実際の収入や売上が
減ってからしか、真剣に取り組まないものです。

ならばまずは議員歳費を削り、政党助成金を削る

「社会実験」

をしてみる価値は充分にあるのではないでしょうか。

・・・そして、こうした「そもそも論」。選挙が当面ない
いまこそ「チャンス」なのです。

定数を削っても働かない議員が残れば同じことです。

そもそも国会議員は国民のために働くものであり、政党や自分の
利益のためではありません。

特別なネタが入らない限りしばらく「そもそも論」を続けようかと。

ブログ村に参加してみました。宜しければ右バナーをクリックしてください→ にほんブログ村 政治ブログ メディア・ジャーナリズムへ
にほんブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください