だらだらと続く繁忙期に対応する人件費を上乗せ

祝日が減ります。
特に民主党が夏の参院選で勝利するようなことがあれば。

まず春から初夏をゴールデンウイーク、秋はシルバーウイーク
としてそれぞれ土日を含めた5連休を用意します。

つづけて「北海道・東北・北関東」「南関東」「中部・北陸信越」
「近畿」「中国・四国・九州・沖縄」の全国を5つのブロックに分けます。

そして、時期をずらして「連休」をとるように法律で強制しよう
というものです。

狙いは交通機関の混雑を緩和し、「繁忙期価格」といった旅行費用
の引き下げなどで国民の観光需要を喚起し、観光地にとっては従来の
閑散期にも集客できるので雇用創出ができ内需拡大へと。

それでは「財源」、もとい「休日」はばらまくのか? いや、
以前指摘したように「イタリアより多い祝日」の日本ではこれ
以上休みを増やすことは現実的ではありません。

そこで5月3日の憲法記念日、4日のみどりの日、5日の子供の日、
そして7月20日(便宜上旧祝日、以下同様)の海の日、9月15日の
敬老の日、10月10日の体育の日を法律上の休日ではなく「記念日」
に格下げするというものです。

これにはみっつの無理があります。

ひとつは「エリア」。この区割りは地図を広げて決めたのでしょうが、
日本は南北に長く、北海道と北関東では気候や風土が異なり種蒔きも
収穫時期も異なります。これはそのまま中国地方と沖縄諸島でも問題と
なるでしょう。そもそも農業や漁業に休日などないとお叱りを受ける
かもしれませんが。

次に「現代日本」でエリアごとに「集団休暇」をとることは産業界、
実業界からみて無理というより不可能です。

北海道支社は今週休みで、東京本社は来週、関西営業所は再来週に
休み・・・となるということです。日本全国が繋がって仕事をしている
ご時世に近視眼的発想、あるいは思いつきとしか評しようがありません。

または強制的に法律で休みだと決めても、「休まない大企業」が
現れれば、中小規模の企業など春と秋に顧客を奪われるか、休日を
とらない消耗戦を余儀なくされます。

休みを分散することでレジャーの活性化をとありますが、産業は
観光業界だけではありませんし、繁忙期をずらすことで旅行費用の
引き下げをというのは、甘い見積もり。「繁忙期」が長くなり、
全体的に薄く値上げとなるのは便乗値上げではありません。

「だらだらと続く繁忙期に対応する人件費を上乗せ」

一度に訪れる繁忙期は処理能力の限界が上限で、人員もそこに
合わせればいいのですが、年に2回だらだらと続く繁忙期に配置
するとなれば費用を上乗せしなければなりません。

さらに交通機関の混雑緩和も微妙です。区分けされたエリアから
の「出入国」は限られたルートしかなく、高速道路や鉄道網の
混雑はいまさして変わらないことでしょう。

はてさて何の意味があるのかと最後の無理へ。

記念日本来の意味へという狙いもあるとされ、これだけは評価し
ます。しかし「祝日」とは、海外にもありますが、日本には「ハレ」
と「ケ」という概念があり、その「ハレ」を祝う日から転じての祝日です。

「晴れの日」「晴れ舞台」「晴れ着」の「ハレ」です。

ぶっつりと「5月の第2週は休み」として、それ以外の平日を
「記念日」としても、本日3月3日が「オーディオブックの日」である
程度に無関心となることでしょう。

5月5日の端午の節句を記念日化しようという動きに

「ジェンダーフリー」

の影を見つけるのは穿ちすぎでしょうが、記念日本来の意味を
取り戻すのであれば、祝日とはセットでなければ意味を為しません。

そしてこの話を「選挙応援に出向くほどの民主党支持者」は
こう吐き捨てました。

「また、どうせいうだけだろ」

ちなみに故大平首相は本日の「桃の節句」を祝日にしようと
いう最中に病に倒れました。残念。
 

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