快適至上主義とサンダル履きのリスク

人間の言う「自然」とは、人間の好きな「自然」だけだ。

私の好きな言葉の一つです。

私たち夫婦は現地の人との出会いによって沖縄が大好きになり
いずれ移住しても・・・足立区を捨てても良いぐらい・・・に
と夢想にふけったことがあります。

彼女は海辺や離島を妄想していました。
それを聞いた私は「無理」と言下に否定しました。

少しむきになり、どうしてという彼女に「虫平気?」。

沖縄も都市部はかなりの都会で、それは足立区を軽く凌駕します。
リゾートホテルは都会人を受け入れるために「すこぶる快適」な
生活ができるようになっています。

しかし、遊ぶと暮らすは別の次元の話。

私は短い間でしたが、巨大ムカデのでる山の中のくみ取り
トイレットで育ち、父方の祖母はいまだに川の水をくみ上げて
飲み水にしているようなところで生活をしており、それも経験し
ています。

祖母の家などは自然以外何もありません。

一方の専務はといえば東京の片田舎、足立区の中でも戦後の
早い時期から開発が始まった「竹の塚駅東口」の公団住宅で生ま
れ育った「アーバン派」。くみ取りの話が出ると眉根をゆがませ
虫を嫌います。

おまけに台風も雷も嫌い。
一般的に暖かいところにいくと昆虫はでかくなります。

沖縄でも那覇や沖縄市、北谷の都市部などなら問題ありません
が彼女が夢見た「オキナワンライフ」からはかけ離れているので、
今でも足立区に住んでおります。

どうして関東地方、特に東京に台風被害があったときは

「未曾有の自然災害」

とばかりに報道する姿勢に嫌気がさすのですが、東京に
台風がやってきました。

はい。これも自然の一部です。

過去にはあの「わがまま王子」の横綱の国が侵略にやってきた
時に追い払ってくれた「神風」でもあります。

台風が来れば飛行機は欠航します。

そして欠航となった空港ロビーでは航空会社から毛布が支給され
時と台風をやり過ごします。

これを報道した番組の中で

「床に寝かされたお客さんが」

と、不平不満を含んだニュアンスで、あたかも客の悲劇のよう
に報じます。

不運であることに違いはありません。

しかし、「台風接近」は数日前から報じられていますし、
空を見上げれば豪雨かと思えば、晴れ間が見え、しばらくすると
また雨が。そして昨日からは風も強くなっているおかしな空模様
でした。

「それでも飛行機は飛ぶのか」

キャンセルするという選択肢だってありましたし、予定を調節
するということもありでしょう。
どうにもならなかったということも当然あります。

しかし、人類に制御できている自然はごく一部です。
制御できない自然も含めて自然です。

台風は害悪ばかりではなく、水不足の時には「待望論」がでる
ほど、我が国に水の恩恵をもたらしてくれるものでもあります。

個人的には台風一過の晴れ間のすがすがしさと、同時に運んで
くる潮の香りは、暴風に耐えたご褒美のようで好きです。

床に寝ることとなった方が本当に不満を覚えたかは分かりませ
んが、しかし、報じる側の「視聴者の味方」というおもねる報道
姿勢が消費者は自分のエゴを押し通して良いという風潮を作り上
げ、また加速させているのではないでしょうか。

これは人工物にまで及びます。
エスカレーターはいつから完全無欠の安全な乗り物となってい
たのでしょうか。

「エスカレーターでは中央にのり・・・」

というアナウンスはその乗り物が階段より危険だから流れます。
黄色で囲まれ枠線は警告を意味します。

ちょっと前のショッキングな事件もありましたが、サンダル履
きでエスカレーターに乗り、足を挟むなどの事故が相次いでいる
ようです。

サンダルはヒット商品ですが名前は出しません。

「サンダルのせいじゃない」

が私の立場だからです。

エスカレータは便利ですが危険な乗り物です。
別例を挙げると「自動車は便利ですが危険です」となります。

便利ですが危険。危険だけど便利。

つまり便利で得られる利益(メリット)が、危険(リスク)
を超えているから皆、利用しているということだけ。

忘れちゃいけません。リスクはゼロになっていないのです。

エスカレータの手すりもちゃんと掴むようにアナウンスされ
ているのは、緊急停止する可能性があるからです。

黄色の枠線は接合部に巻き込まれない為の警告です。

階段を使うという選択肢だってあります。
便利ではありませんが。

台風の中でも空港に向かった人を責めるつもりはありません。
それでも向かうだけのメリットが、欠航というリスクを上
回ったということです。リスクテイクをした結果責任を受け入
れたということ。

体を運んでくれるメリットがあるエスカレーター。
伴うリスクは多くの場合、回避できます。

ところで「サンダル履き」って、昭和の頃はせいぜい近所の
買い物ぐらいで、繁華街に出ていくのは恥ずかしい行為だった
と記憶しているのですが。

便利と快適を、繁華街に持ち込むのも結構なリスクかと。

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