顧客還元せずに身内にばらまく経済の動脈

6月はボーナス月です。
来週あたりから景気の良いニュースが流れることでしょう。

というわけで景気の悪い話しを。

その昔、都市銀行のATMが相互乗り入れをはじめた際、

「BANKS」

とよび、参加金融機関13社の1と3をひっつけた「B」が
シンボルマークとなっていたのは昭和の話。

21世紀の平成では「三大メガバンク」となりました。

そのメガバンクのボーナスは10%増という羽振りの良さです。
公的資金を完済したので、従業員のボーナスを増やして、志気を
向上しようといいます。

えぇ儲かっているのだから結構でしょう。
しかし、困っているときに「税金」で助けられておいて、

「預金金利をあげる前に身内にばらまく」

というのは相変わらずの「顧客軽視」だということを露呈してく
れています。
※実際にはミジンコの涙程度には金利は上がっています。

そして、メディアがこれらを批判しないことと、「緒方拳」さん
のみずほ銀行のCMはいつテレビをつけても流れていることと
残念ながら無関係ではありません。

デフレを脱却して景気回復。

の、中。

「個人事業主、倒産急増」

帝国データバンクの発表によると個人事業主の倒産は前月比
3割り増しで、前年同月比でも2.5倍、9ヶ月連続の増加です。

■ヤフーニュース(フジサンケイビジネスアイ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070613-00000005-fsi-bus_all

いわゆるグレーゾーン金利撤廃による影響です。

担保のない個人事業主が気軽に金を借りられるのはサラ金・・・
もとい消費者金融だけです。

銀行は相手にしてくれません。

自治体によっては行政が産業振興のためにお金を借りやすくして
くれる制度を用意してくれているところもありますが、金が入るのは
順調にいっても

「一ヶ月先」

です。
しかも

「役所の開いている平日の昼間に相談にこい」

というのが大半で、私の友人も創業期になんども役所に来いと
いわれ融資をあきらめてしまいました。

「一人親方が平日の昼間からいけるか!」

と役所の担当者に怒鳴って。

これは役所側に立てば、安易に借金の手伝いもできないことは
わかりますが、利用書への配慮は薄いのです。

また、担保のない個人が銀行から金を借りる際には「保証人」
が必要で、今のご時世気楽になってくれる人を探すのは困難です。

私達の世代で「起業」した場合、定年を迎えた親に資産がないと
保証人として難しく、兄弟が住宅ローンを組んでいるとやはり、
いい顔はしてくれません。

担保のない個人の「事業資金の借り入れ」というのは親族を換金
する作業なのです。

事業資金を銀行から金を借りられるのはお金持ちです。

そんなときの「一時金」として、消費者金融は大変便利でした。

長期間借りると金利負担が重くなりますが、一時的な借り入れな
らわずかの「手数料(金利)」で借りられます。

金融機関の融資が1ヶ月以上時間がかかり、収入印紙などの各種
手数料を負担しなければならないコストを考えると、

「運転資金の一時調達」

として欠かせないものだったのです。

モチロン、銀行が事業内容を精査して運転資金を調達してくれれ
ば、消費者金融を使う必要もないのですが、彼らはあいかわらずの
担保主義です。

消費者金融が「気軽」に貸してくれていたのは「グレーゾーン」
という収益性の高さによります。

グレーは黒く塗りつぶされました。

そしてホワイトの銀行は相変わらずです。

2007年、今年からの団塊の世代の大量引退に加えて、ニート
支援(する意味がわからないのですが)などで「起業」も、その
方策の一つとしようという動きがあります。

しかし、その「元手」はどこから調達するのでしょうか。

退職金、貯金、親からの融資、親の土地。

「経済の動脈」という理由で

「公的資金というラベルが貼られた税金」

は、新しい経済活動には注がれるという気配は相変わらずありま
せん。

グレーゾーン金利が脱法行為か違法行為かは意見の分かれるとこ
ろでしたが、

「黒と断じたことにより息の根を止められた」

人が増えているのは事実です。

消費者金融で金を借りているような・・・というご意見もあるで
しょうが、毎月決まって給料が貰えるわけではなく、また、

「受けた仕事の代金が必ず貰えるという保証などどこにもない」

のがビジネスの世界で、そこに身を置いていると、あり得ない話
しではないのです。

そして三大メガバンクのボーナスが10%増量だそうです。
三大メガバンク様が「新規事業が大成功でウハウハ」の結果なら、
文句をいうことはないのですが。

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