ちり紙交換屋さんのいる風景

東京の一極集中を批判する都知事立候補者のニュースを流した
後で、

「今、話題のスポット 東京ミッドタウンです」

と、さらに東京集中を加速させようとしている施設を取り上げる
のは

「選挙妨害」

なのかと半笑いになってしまいます。

六本木ヒルズ、表参道ヒルズ、丸ビルなどなど。
開業したときは徹底的に提灯記事・報道をするのはいかがなもの
でしょうかと、その大人の事情に憤りを感じます。

能登半島の地震は現在進行中ですし、超高級議員宿舎に年金制度
に、5000円の水事件などなどあるのに。

霞ヶ関ビルやサンシャイン60ができた時代と違って、もうすでに
あるものが新しく追加されただけですし、建前上は

「1民間企業のビル」

です。それを

「放送電波を使って宣伝してるんじゃない!」

と。・・・まぁ官有地の払い下げですからね。

財閥は解体されましたが、「血筋」というのは受け継がれ、また
戦後60年以上の(戦争で国民が死なない状態と狭義での)平和は
「メディア」という財閥を作り出し、ここら辺が結託するとやりたい
放題となります。

お役人や政治屋さんも悪いコトしていますが、既得権をもった
民間はもっと仲良くえぐいことをしています。

ちなみに東京ミッドタウンのコンセプトは

「働く、住まう、遊ぶ、憩う。
この街は、そのすべてが一体となった複合都市です」
(東京ミッドタウンHP、コンセプトより一部転載)
http://www.tokyo-midtown.com/jp/about/concept.html

とは、平たく言うと「村」。もしくは「町内会」。
究極を目指すと回帰するということを教えてくれます。

「働く、住まう、遊ぶ、憩う」

私にとっての足立区と同じですから。

そんな足立区は現在リサイクルに力を入れており、民間の
スーパーマーケットと協力してペットボトルの回収に積極的
になっています。

ペットボトルの回収をはじめた「東京ルール」は先日なくなった
青島さんの都知事時代の功績でしたが、回収率が下がってきており
問題となりつつあります。

そこで「回収機」をスーパーにおいて、ペットボトルを入れると
ポイントを与えてお買い物に使えるようにしています。

ペットボトルは再利用の外にも「燃料」としても使うことができ
るので、足立区の取り組みは結構注目を集めています。

リサイクルといえば古来より「ちり紙交換」がありました。
古紙回収業というべきなのでしょうが、昭和の頃は古新聞や
古雑誌と「ちり紙」を交換してくれたのでこう呼ばれていました。

私の子供頃は匁(もんめ)などの尺貫法を使う方もいたと
ぼんやりと覚えています。

新年度、浮かれモードのなか、地味な話しで
平成19年度の「マスコミでは言えないこと」をはじめます。

昭和が終わりバブルを越え、円高が進むに連れて古紙の価格が
下落しました。
古紙を集めるより製紙木材を輸入する方が安くなったからです。

廃業する業者が多くなり、町中から

「古新聞、古雑誌」

という声を聞かなくなりました。

中国が世界の工場と躍進を迎えた時期、世界は環境に敏感に
なりました。

中国では出荷用の段ボールが必要となり、再利用できる資源は
活かそうという機運から、古紙が見直され、自治体毎に収拾して
再利用することになりました。

古紙の需要が高まれば仕入値は上がります。

そして以前は町内を「流し」て一軒一軒集めていた古紙が
一箇所に集まっているのです。

「アパッチ(資源ゴミの持ち去り)」

の誕生です。
先週、この持ち去りに対して「無罪判決」がでました。
理由は持ち去り云々ではなく、持ち去ってはイケナイという
世田谷区の条例が憲法違反だというのです。

大企業やメディアの左傾化よりも、司法の「反体制志向」の方が
深刻かも知れません。

その後の別の判決では「有罪」と断じていました。

資源として再利用するために定められた場所に置いた善意を
私利私欲のために奪っていく行為ですから当然です。

しかし、なくなりません。
アルミ缶なども「儲かる」ので、回収日はビニール袋で集めて
廻る輩が後を絶ちません。
古紙とアルミ缶の両方を同時に集めている強者もいます。

正規の業者が来る頃には「儲からない瓶」だけになっていること
はいつものことです。

回収費用は税金で賄われており、回収・再資源化によって得られ
た利益は還元される・・・ものですが、儲からないものばかりだと
回収コストだけがかかるようになるのです。

そこで裁判となりました。

私は何度もアパッチと揉めていました。

仕事柄、新聞や雑誌を大量に読むので、資源としてだすときに
勝手に持っていく連中を見つけては

「持ってくな」

と。社会のルールですから守るのが当たり前です。

朝からいらつくのも不快なものです。
しかも区の回収車はなかなかこないので、本気で持って行かせない
為には数時間見張らなければならないので現実的ではありません。

何束もあるときは往復する間に「持ち去られ」がっくりすることも
しばしばです。

有り体な言い方をすれば泥棒にお金を上げているようなものです。
アンフェアですが、相手は不特定多数ですからお手上げです。

そこで閃きました。

「どうせ持っていくのなら奴らに仕事をさせる」

資源回収日に「持ち去り」にきた業者を呼び止めました。
気弱なおじいちゃんです。

ビクッとしてこちらを振り返ります。

「紙いる?」

キョトンとしているところに、古新聞や雑誌が沢山あるから
もっていってよ。そのかわり、階段で運ぶの手伝ってね。

トラックをバックして建物入り口につけさせ、バケツリレーの
要領で大量の新聞と雑誌を運びます。

私と専務におじいちゃん。

3人係だと早く終わってラッキーと思っていると、おじいちゃんが
トラックに駆けていきました。

助手席からボックスティッシュをだして

「これどうぞ」

・・・ちり紙交換だ。

おじいちゃんの携帯電話番号を聞き、

「今度だすとき連絡するから、近くに来たら電話頂戴」

と「商談成立」です。

区の財政に協力できないのは残念ですが、泥棒に持っていかれる
よりは「商売」のほうが遙かにマシです。

もちろんこのおじいちゃんもそうかもしれませんが、少なくとも
私のところでは「対価」を支払って「仕入れ」をしています。

結局、今の持ち去りは「タダで仕入れて小銭を得る」ということ
が問題となっています。

各人がちり紙交換屋さんと「個別契約」するようになれば、
割に合わない持ち去りという犯罪はなくなります。

なんでも裁判ではなく、また目くじら立てて対立するのではなく
普通の話しをすれば普通に解決することって多いのではないでしょ
うか。

リサイクルも結構ですが、ちり紙交換屋さんのほうが暖かみが
あるように感じるのは昭和生まれの郷愁かも知れませんが。

ちなみに東京ミッドタウン。
名前を腐すのは上品ではありませんが、直訳すると

「東京中心部」

ここで愛を叫ぶと、少なくとも東京の中心であるようです。

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