携帯電話会社は儲けすぎだ

 先日、携帯電話を5年ぶりぐらいに変えました。

携帯電話販売業のお手伝いをしていたときは、最新機種の情報を
押さえることが商売に直結していたので、敏感だったのですが、
そことの取引を中止し、WEBに本腰を入れたこともあり、

「携帯電話を使わない生活」

となっていました。
電話によって仕事を中断されると効率が下がることから、作業中
はまずでませんし、それを知っているお客さんからはほとんどメー
ルで連絡が入ります。

流石に外出時は「携帯」しますが、鳴ったからといって必ずでる
かというとあまりでません。

これは営業時代のトラウマからか、自分の居場所を補足され、
自分の時間に土足で踏み込まれるのがいやなのです。

先の携帯電話販売業から沖縄旅行にでかけ、今からビーチにはい
る瞬間に

「どうでもよいこと」

で電話を鳴らされた反動もあるかも知れません。
携帯電話によって「甘え」が増長された気がします。
困ったら、分からなかったら、訊ねろという。

また、企画制作部所の責任者だったことから、

「とにかくミヤワキ」

と問い合わせの電話を廻されたことも今のスタイルにこだわる
理由だったりします。何でもかんでも廻されていたので、仕事に
ならなかったのです。

電話は商売道具としてもコミュニケーション手段としても便利で
大切ですが、使い方を誤ると作業効率の敵となります。

実は電話って相手の時間を一方的に奪う道具なんです。

モチロン、それを補ってあまりあるほどの便利さをもたらしてく
れていますが、その便利と不便を一度天秤にかけてみるといいです
よ。

私はそこで「電子メール」を使うという決断に至ったのです。

と、そんなわけで私が使っていた携帯電話は「Tu-ka」。

KDDIの傘下に入り、auへの移行を奨めるのですが、これは
奨めるというより強制で脅迫です。

昨年末は永年コツコツと貯めたポイントを2000ポイントごっ
そり強奪されました。昨年の言い分は

「強奪されたくなければ機種変更しろ(できればauに♪)」

というもの。
※メルマガ表現上で、もっともらしい理由はちゃんとついていました。

しかし、携帯の端末代金は実売価格では赤字が多く、数万円する
本体価格を1万円前後で販売できるのは、

「毎月の利用者から集金して補填」

しているからなのです。

と、いうことは機種変更もせずにずっと同じ端末を文句も言わずに
使っている私は

「搾取される優良顧客」

ということです。使用量が少なかったので優良というと言い過ぎ
かもしれませんが、少なくとも毎月殆ど使わない携帯電話の料金を
キッチリ払っている手間のかからない良い客です。

貯まるポイントもほぼコレクター状態で、使う気もなく貯め続け
ていました。

ところが「使わないと無くすぞ」と。
結局、昨年は「楽天市場がなくなる日」の執筆の追い込みというこ
ともあり、機種変更もできずにポイントは蒸発してしまいました。

そして今年。

「また、削るぞ! Tu-kaからauにとっとと移らんかいぃ!ぼけぇ!」

と、またポイントを削るといいます。
そして10月中ならまけときまっせ。

理不尽は理不尽です。

Tu-kaで充分だったのに「企業の都合」で、振り回されるわけです
から。

そんなことを考えていたときにお隣の川口市内をクルマで走って
いると、とある「アダルトショップ」の看板に

「セクシィ」

と。

「ミクシィ」

の親戚みたいで「写真に撮りたい」と思ったのですが、私のTu-ka
はカメラ付きの黎明期のものですので、まともな写真を撮ることがで
きません。

「むむむ無念。機種変更じゃ! auへ宗旨変えじゃ!」

と決意したのです。私の行動原理の基本は面白いかどうか。

そしてついでに専務の携帯も機種変更です。
彼女の携帯端末には

「J-phone」

とあります。ただ普通に使っている間にVodafoneになり、今は
ソフトバンクモバイルです。
そこでこの際だからと彼女のものもauに宗旨変えしました。
流石にもうないとは思いますが、自分の選んだ回線会社がコロコロ
変わるのはあまり気分の良いものではありませんから。

今週に入り

「予想外割0円」

とブラックキューピー孫さんが発表しました。
大人のソフトバンクを強調していた孫さんに、ドコモもauも
すっかり出し抜かれた格好です。

騙されたではなく出し抜かれたです。

これは偶然にも「楽天市場がなくなる日」のおまけ版の中の
「通信と放送の融合補足」で触れましたが、ドコモもauも一番恐
いプレイヤーがソフトバンク・・・孫正義さんなのです。

苛烈で熾烈なシェア争いをしているような印象の通信業界ですが、
実は「既得権」の塊で、ドコモもauも互いの息の根を止めるよう
なことはせず、まさしく阿吽の呼吸で競争を演出していました。

これは語弊を怖れずにいうなら

「役人の役人による役人のための改革」

のようなものです。決定的なところは変えずに、見栄えのする
分かりやすいところの小手先をいじるだけだからです。

新規参入の障壁が高いこともまくらを高くしました。

だからヤフーBBで通信業界にとって「予想外」の「バラマキ」で、
市場を席巻した孫さんは異端児で破壊王、恐怖の対象だったのです。

ところが紆余曲折を経て、悲願の通信市場に参入した孫さんは
すっかり大人しくなった「風」を装い、

「大人のソフトバンク」

を強調したことにより、通信既得権益村の名主と名代のドコモと
auはすっかり油断してしまいました。

「ういやつよのぉ。そうじゃ、そうじゃ。通信既得権益村では
大人しゅうしておれば山吹色の饅頭が手にはいるのじゃ。
ほぉっほほほ」

と、高笑いを決め込んでいた所に、

「馬を引けぃ。でるぞ!」

と桶狭間の織田信長のようにうってでたのです。

孫さんを織田信長に例えるのには異論もあるでしょうが、auを
持っていないという速見もこみちさんをCMキャラクターに起用し
ている「余裕」が、今川義元のように見えてしまいました。

名主のドコモは「オールスターキャスト」で、まるでレアルマド
リードの銀河系軍団ですが、これはドコモお家芸の

「金もってんぞぉ」

というもので、ドコモはその昔、

「織田祐二、鈴木京香、広末涼子などなど」

の「ケータイ家族物語」という展開をしていましたが、広末さん
がブレイクするにつれ、本来主役級で上司の娘の鈴木京香と恋仲に
なるか・・・という伏線まで用意されていたはずの織田さんが、粗
末な扱いとなり、

「やっぱIDOでしょ」

と、「ライバル企業への衝撃の移籍」というCM史上に残る事件を
引き起こしました。覚えている人いますかね。

その「金もってんぞぉ」ができるのは・・・単純な話しドコモに
お金があるからです。

孫さんが主張するように

「携帯電話会社は儲けすぎだ」

の裏付けの一つといっても良いでしょう。

その儲けの源泉は私たちの利用料。

以前にも指摘しましたが、その利用料も永年使っている常連さん
から徴収して、解約→新規を繰り返す「浮動票」に再分配していま
す。理不尽ではないでしょうか?

ずっと応援しているファンを蔑ろにして、一見のファンを偏重す
るお店は普通は潰れます。

これが携帯電話の世界では起こっているのです。

孫さんが正義の味方とはまったく思いませんが、常連やファンを
大切にするという

「商売の常識」

をこの通信既得権益村に持ち込んでくれることを・・・少しだけ
期待しています。

余談ですが、儲かっているところは大盤振る舞いのCMを流します。

今、強引な取り立てと上限金利で叩かれていますが、ちょっと前に
消費者金融のCMが流しまくっていたのも儲かっていたから。

そして今、みずほ銀行が「オールスターCM」を流しています。

・・・推してしるべし。

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