今月号でオススメは宮脇睦の「ネットバスターズ」。いや、マヂで。
・・・コホン。
巻頭に安倍昭恵首相夫人のインタビュー記事。のびやかな彼女の発言は魅力がいっぱいながら、聞けば聞くほど、読めば読むほど、安倍晋三という人物のリベラルさに確信を持ちます。
もちろん、このリベラルさとは世界標準で、テレビ中継のために、神様だった「四柱」をなくした相撲協会的な、伝統を掲げながらも変化を厭わない良い加減で、いいかげんな自由を理解する心という意味でのリベラルです。
だから、安倍首相誕生時に保守派と右派が、諸手を挙げて喜んだのが不思議だったこと思い出す記事です。
元日本共産党の篠原常一郎氏の
“そもそも共産党って…?”
は、掲げた二十の疑問に答えるものながら、共産党員の性根が垣間見える秀作です。元日本共産党員という肩書きですが、権力闘争にやぶれて追い出されただけで、心情的にはいまだにアカなのでしょう。
随所に核心のはぐらかしが確認され、彼らの「クチのきき方」を研究するのに役立ちます。その極めつけが結びに現れます。
結論的になりますので、細部は本書を手にしていただくとして
「日本共産党が民主主義社会でのまともな政党とは言えないと思います」
と締めくくるのですが、これは「条件付き」。つまりその条件さえクリアすれば、日本共産党の存続を願っており、その条件は自身が日本共産党除籍されたときの顛末に重なります。
自己保身と正当化。これも左翼の特徴で、筆者は骨の髄から日本共産党員なんでしょうね。
高江のヘリパッド工事を巡り、「しばき隊」から逮捕者がでましたが、彼らは反政府活動が目的で、地元のなかには彼らの抗議活動に辟易しており、反日活動のためなら事実すら歪曲する地元紙ですら、抗議活動への苦言を呈するようになっています。
彼らの根底にあるのは、反基地感情とされますが、最近ではここに「中国の思惑」が加味されることは、ライバル紙、月刊Hanadaの青山繁晴氏のスクープ記事からも明らかです。
ざっくりと紹介すると、沖縄県知事の翁長雄志氏は中国の在日工作員による工作活動で、知事になれたと日本のインテリジェンスが確認しているというもの。
正論も恵隆之介氏のスクープで応戦。
“ペリー文書 沖縄は黒船到来の前から日本だった”
あの浦賀沖にやってきたペリー提督のリポートの発掘で、豊臣秀吉の時代から事実上は日本国の領域だったとするもの。
「琉球国」についても、沖縄本島の王府による、離島侵略の後の過酷な植民地支配はあったが、その後は琉球国内での「刀狩り」と「人質外交」で急激に国力が衰退し、薩摩藩の庇護下にはいりつつ、明国にも良い顔をしていたという二枚舌。実効支配は薩摩=日本です。
ところが豊臣秀吉による朝鮮征伐への出兵の要請に答えられない琉球王府は、明国への内通で凌ごうとしたところ、明国皇帝が欣喜雀躍に喜び、当てつけのために日本国より高い序列を琉球国に与えた・・・ことをもって「琉球国」があったとするもので、実態はバーチャルにすぎない、とペリー文書は伝えます。
二枚舌は中華文明の影響を強く受けているとはいえ、それをもって中華とは、いささかウチナンチュが不憫に思えてきますし、なにより先の大戦で、勇猛果敢に闘った沖縄県兵士は、いずれ中国になるために命を捧げたのではあるまい。
先の大戦における複雑な感情から、米軍基地に反対するのは百歩譲って分かるとしても、その大戦の「戦勝国」を名乗る中国の臣下になろうとする、翁長雄志氏と、彼を支持する県民の心根は分かりませんが、正しい情報は正しい判断の大前提。必読です。
沖縄がらみでいえば、八重山日報編集長 中新城誠氏の
“沖縄メディアが報じない米ヘリパッド反対派の横暴”
も同じく、マスコミが言わないこと。
そして弱小メディアの悲哀は、私のような個人の物書きには痛感でき涙を誘います(嘘)。
ただ、「(琉球)新報の記者だぞ」と機動隊に言えば、水戸黄門の印籠宜しく、すべての場所がフリーパスになるという発想は、事件記者に聞く、朝日新聞やNHKの記者の態度に重なります。
■月刊 正論 2016年11月号「昭恵・蓮舫・クリントン」
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