全国に広がるタイガーマスク現象。
私がもっとも懸念しているのは「掌かえし」です。
例えば届いたランドセルが余ってしまった。
あるいはピンクのランドセルが10個届いたが、女児は
7人しかおらず余った、また男児に背負わせた。
コンピュータの場合は、職員が使った、転売した、
使いこなせずに放置されていた。
食品の場合は食べてしまえば良いので、ある意味、
こうした心配は少ないのですが、それでも残した、
腐らせたとなったときに、マスコミや世論(せろん)の
針が逆に振れてしまうことです。
誰も損をしないから良いだろう。そういう意見も
あるでしょうし、否定はしません。しかし、受けとる
子供も単純に嬉しいと思うばかりでなく、この「ブーム」
が去った後に「消えていく愛情」を知り、どう思うか。
そしてこういうフワフワした善意の前にこういう
ことを述べれば「KY」と呼ばれるのでしょうが、
児童養護施設から一般の小学校に通う子供の中には
こうした言葉をぶつけられることもあるでしょう。
「おまえのランドセル、タイガーマスクから貰ったんだろ」
これにたいして
「そうだよ。うらやましい?」
と、強くなれと施設で小さな戦いを繰り返す児童を
けしかけるデリカシーは私にはありません。
そこで報道にもひとこと。
「●●の児童施設」
とまで報じずに、都道府県レベルで留めて下さいと。