北朝鮮のミサイルが炙り出した工作員的文化人


2017年8月29日の午前6時前、北朝鮮がミサイルを発射し、日本の上空を越えて太平洋上に落水しました。

政府は即座に「Jアラート」により全国に警報を発しました。あの民間ロケット打ち上げに失敗したインターステラテクノロジズ株式会社の創業者 ホリエモン氏は《マジでこんなんで起こすなクソ。こんなんで一々出すシステムを入れるクソ政府》とツイートし、ネット民の「お前のところのロケットが飛ばなかったからって八つ当たりするな」的な嘲笑に晒されていました。

もっとも、彼が有頂天になっていた頃からの言動を統合すると、自分のことしか考えていない人物の可能性の方が高く、つまりは自分の睡眠が阻害されたことに脊髄反射で噛みついただけということ。

私はと言えばテレビ東京「モーニングサテライト」で、米国を襲うハリケーンにより原油価格がどうなるか、といったところで画面がJアラートに切り替わり、初めての事態に演習やCMの可能性を探ってしまいます。つまりは軽いパニックに陥りました。

十秒もせず「これは訓練ではない」と気がつき、家族を一階の一部屋に集め、ノートパソコンからフォロワー向けに情報発信を始めます。

しばらくもせず続報があり、警戒地域は北日本で、そのとき、微かにながらホッとした自分を恥じます。

Jアラートは発射から数分後に作動し、ミサイルは種類にもよりますが十分ちょっとで着弾するはず。

以前、北朝鮮がミサイルを撃った際のワイドショーが、Jアラートによる警報がなってから3分ぐらいしか時間がないから意味がないとDisっていた記憶からもその時を待ちます。

3分を経過し5分も過ぎ、悲しい情報は報じられず、タイムラインも静かなまま。そして10分後「太平洋沖に落下」との報道に心の底からの安堵を覚えますが、これも浅薄な話。

サンマ漁の始まっているこの季節、落下海域に漁船がいるようで、幸いにも荒天から、出漁している船舶の数も少なく被害はなかったのですが、予告のないミサイル発射は、この危険性があるということです。

落下したと聞いても楽観できなかったのは、これが「戦争」ならば、反撃される前に「連射」するはずで、情勢がわからない以上、とりあえずはジッとして情報収集。そして万が一に備えて、水分補給をし着替えておきます。

6時24分頃、安倍首相のぶら下がり会見をみて、本格的戦争状態にはないと判断し、我が家の警戒を解除、力強く日常を過ごすことが北朝鮮にできる庶民の対抗策であると犬の散歩へ出掛けます。

政府批判に余念のないメディアは、Jアラートによる警報が正しかったのかと疑問を呈し、テレビ朝日「モーニングショー」では、青木理氏は「米国と話したい北朝鮮のメッセージ。強調しておかなければならないのは、日本上空に影響することはない。なぜならすでに日本を狙うミサイルがあるから」とわざわざ指摘。

つまり、銃口はすでに向けられている。いつでも殺せるから、いまさら騒ぐなってこと。もう彼は工作員認定して良いかも知れません。

インテリジェンス(諜報活動)の世界では、その国のスパイや雇われた相手国の工作員の他に、社会的な影響力が強い作家やタレント、ジャーナリストなどを「抱き込み」、事実上の「工作員」として世論誘導をする手口がアリ、青木理氏の一貫した反日親北姿勢は、それと疑う以外には理解の範囲を超えています。

「北朝鮮がミサイルを撃っても日本の危機は高まっていない。いまこそ日本は米朝対話に向けて動くべきだ」とは玉川徹テレビ朝日社員。青木氏と足並みを揃えます。

彼らの掲げる「対話」とは、前後の発言を統合すると「北朝鮮の核保有を認めろ」ということ。

同日のTBS「ゴゴスマ」では朴一氏が「ミサイルを迎撃したら宣戦布告。日本には戦う能力も守る能力もない。だから外交努力しかない。日本が圧力をかけるから北がミサイルを撃つ。さらに圧力をかけるからまた北が撃つ(要旨)」と、因果関係がひっくり返った発言をして、「トランプが譲歩しない限り、北朝鮮はミサイルを撃ち続ける」と恫喝します。

トランプの譲歩とは「北朝鮮の核保有を認めろ」ということ。

こうした主張をする人の多くが「核兵器禁止条約」に日本が参加しないことを詰っていたはず。

北朝鮮の核兵器は良くて、その他の国は禁止せよ。つまりはこうなります。だから工作員ではないかと疑ってしまうのです。

また、彼らに驚くのは、台本でもあるかのように「冷静な対応」を呼びかけていることです。それも日本国民に対して。

先の青木氏の発言にしても、危機はこれまでと変わらないのだから、ここは冷静に対応し過激に走らないということですが、北朝鮮が軍備を増強し核保有国になっても、日本はいまのままでいて、さらに北朝鮮への悪感情を持つべきではない、ということでしょう。

北朝鮮が有利になる発言しかしていません。冷静さを求める相手は北朝鮮であり、日本国民の安全と安心を考えれば、北朝鮮が日本に与える危機こそ除去すべきです。

「モーニングショー」では弁護士という触れ込みの菅野朋子氏が、こんなことを言っていました。

「Jアラートが鳴ってビックリした。目覚まし時計がわりという人もいる。地下に逃げろといわれても住宅街ならどうにもならない。Jアラートは意味がない(論旨)」

ホリエモンよりは論理的ですが、そもそもの問題設定が間違っています。読解力のテストなら0点です。

Jアラートの意味はあります。

まず、爆心地にいれば、それが核でも通常兵器でもお陀仏です。しかし、残された時間を祈りに捧げることもできれば、恋人に最後の口づけする時間も残されます。

その時間を残酷とするか、優しさと受け取るかは、余命宣告にも似ていて、イヤだと思う人はJアラートを解除し、テレビにその文字が映ったらスイッチを切れば良いでしょう。

いずれにせよ選択肢があるということが大切です。

実際には爆心地から少しでも離れた地域なら、屋内に避難するだけで爆風が供連れする鉄やガラスの破片から逃れることができます。

建物が倒壊するレベルであっても、壁際にいることで難を逃れることもありますし、ガラス窓は吹き飛ぶのでそこから離れることは5分もあれば充分です。

広島と長崎の原爆のときも、同じく、壁や塀といったわずかな遮蔽物により助かった事例が報告されていて、歴史に学ぶ謙虚さを持つものなら菅野朋子氏のような台詞は吐くことなどできません。

さらに朝6時のミサイル発射ということは、寝ている人も多かったでしょうし、まず目を覚まし、可能なら服を着替え、最低、靴は履くか用意しておくべきでしょう。余裕があれば水分をとっておくのも大切で、非常持ち出し袋もあると尚良いでしょう。

国土がミサイル攻撃に晒され、本格的な攻撃を受ければ、すべての経済がストップし、警察や消防もどこまで機能するかわからず、災害時に活躍する自衛隊は、本来任務の国防に従事するので、彼らに期待するのは論外です。

だから、ささやかでも我が身を守る対策をとらなければならず、すなわち震災時と同様となり、わずか5分がとても大切な時間だとわかります。

ネット番組で経済評論家の上念司氏は、イスラエルの知人にJアラートの発令から着弾まで5分あると告げると「そんなにあるの?」と驚かれたといいます。

いうなれば隣町からミサイルが撃ち込まれるような地域では、警報により身をかがめることができる否かが生死を分けるのです。

菅野朋子氏は弁護士でありながら、そもそも「住宅街にミサイルを撃ち込む」という設定が、どれだけ悪辣非道なことかを想像すらいしていない、あるいは知っていて無視してJアラートを批判するのならば、やはり北の放った工作員疑惑が浮上します。

有名無実化しているとはいえ、敵国への攻撃は、兵力や軍事施設を目標としなければならないとハーグ陸戦条約にもあります。その大前提を北朝鮮が覆すのなら、攻められるべきはJアラートではないことは明らかでしょう。

スパイや工作員というと、秘密情報を盗み出し、敵方と交戦するジェームズ・ボンドの「007」的な想像を働かせますが、世論をソ連に有利になるように誘導して母国を破滅に導き、その果てに共産革命(社会主義革命)を目指した事例は、先の大戦において国内でいくつも確認されていることです。

もはや看過できないレベルに達しつつある工作員的文化人。しかし、日本にはスパイを取り締まる法律がありません。

はた迷惑で言語道断な北のミサイル。それでも意味を与えるのなら、「工作員的文化人」が炙りだされ、ネット民の監視下に置かれたことでしょうか。

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