バカ息子でも御輿

 飽きてません? 私は飽きてます。と、いうかまだ何もしていな
い段階で論評するのは、はしたないという考えで、例えば、弊社を
訊ねた民主党支持者のクライアントや友人とは話しますが、

「考えようよ」

をテーマにして書き続けている本稿の本旨ではないと。

とはいえ、選挙直後の今回ぐらいは触れなければならないかと
とりあげます。そしてそれはタイトル通り

「マスコミでは言えないこと」

東京13区で当選を果たした平山たいろう氏に失望していたはず
の民主党支持者も投票日が近づくにつれ、呼称が変化していきました。

平山くんから平山さんへ。「どうするの?」という質問に苦笑い
しながら「それでも」と言葉を濁します。その態度の変化に政党選挙を
見た思いがします。

それは「バカ息子でも御輿」という世襲系自民党の構図に重なります。

なるほど。そうそう変わらないんだなぁと。
これは各種識者が述べているので凡庸な論で書くのも恥ずかしい
のですが

「2005年の“郵政民営化”が“政権交代。”に変わっただけ」

で、相変わらず「ふわっ」とした空気で政治が決まるということ。

これを自民党サイドでは「暴風」と表現しているところが、
彼党がKY=空気が読めていないところでもあります。

自民党なんか嫌いだ! 消えて無くなれ!

これが暴風や逆風。郵政民営化のときはこれに近く、民主党が
吹き飛んだのですが、最近はこうなりました。

自民党は・・・ねぇ。

この「ねぇ」というふわっとしたものが現代世論を支配する空気感で
「風」と思って立ち向かったところ、そこまで激しいヤジもなく、
ところが応援もなく、気がついたら惨敗していました。これは
民主党支持でも同じく、先ほどの平山たいろう氏も隣の小沢シスターズ
の青木愛氏の辻立ちを何カ所かで拝見しましたが、報じられるような

「熱烈支持」

を一度も見なかったようにです。
裏を返せば小沢一郎は・・・もとい、民主党はこの空気感を読んで
いたということです。これは国政はともかく「選挙戦」としては
見事です。「ふわっ」を信じず、どぶ板に徹したのですから。

一方の自民党は「暴風・逆風」とみて、空中戦でのネガティブ
キャンペーンにて空回りしたというのが私の見立てです。

話を戻します。昨日、なんとなく民主党支持者と話をしていて
問われました。

「どうしてマスコミは民主党の足を引っ張るのだろうか」

彼曰く、まだ政権運営する前から不安要素を並べ立てており
フェアじゃないというのです。

コホンと咳払いをして私は答えます。

「小泉純ちゃんのときはもっと酷かったよ」

郵政選挙に圧勝した純ちゃんには批判の雨あられが降り注ぎ
それは「圧倒的民意」を手中に納めた政府への恐怖心を隠さない
なりふり構わぬバッシングでした。

「独裁者」

という報道もあったと伝えると、

「彼と民主党は違う」

なるほど、では、と続けます。

「安倍、福田、麻生は?」

言葉に詰まります。選挙を経ていないなどの批判を除いても
批判と不安をかき立てるのが日本マスコミの仕事なのです。

そしてそれが「政権政党(予定)」の宿命なのです。

彼は民主党政権を心待ちにしているようで、その期待感を
踏みにじられたと立腹していましたが、私がみた報道を伝えると
みるみる表情が曇ります。それはポジティブ報道。一例を挙げると

1)民主党政権奪取の舞台裏、スリリングなドラマ仕立て
2)刺客候補の選挙戦、感動のサクセスストーリー風
3)民主党代表 鳩山夫妻の愛の物語

1,2に関してはリアクションがなかったので解説します。

まず1は郵政選挙の時の「世耕弘成」と同じ筋立てで、
今回は「平野博文」に変わっただけ、つづけて2に関しては
自民党には片山さつきさんを筆頭に「キャラ立ち」している
のが多かったことと、またタイゾーくんのようにメディアが
面白おかしく取り上げる格好の材料があったことと比較すると
確かに「少なめ」だが、これは逆に民主党にとって有利で、

「底の浅さが露呈したら次の参院選挙に影響する」

からです。これははしゃいだ自民党を他山の石とした民主党の
堅実なプレーだと添えます。

彼の表情が曇ったのは3です。彼がつぶやきます。

「あれ? 略奪愛じゃなかったけ」

愛の営みについては人それぞれ、私は当人同士が了解して
いれば他人が口を挟む物ではないと考えますが、TBSがこれを

「美談仕立て」

にしたのにはさすがに首をひねりました。料理をしながら
みていた「小林麻耶のニュースショー」だったので、子細は
うろ覚えですが、こんなコメントも紹介されていました。

「僕は全女性の中から君を選びました。
独身の女性から既婚の女性、全部あわせたなかから選んだ」

週刊誌によれば留学時の恩人の親戚の嫁。
しかもこの「なんとなく民主党支持者」は団塊世代より
ちょっと若い方ですから、

「室蘭の愛人騒動」

を覚えており、こう呟きます。

「そりゃないよ」

そしてここからが本題。「言えないこと」。
以下、私が彼に語ったこと。

あのね。まず持ち上げる。その為には我田引水でも、細部は
脚色・・・それを編集や校正と呼ぶのですが・・・して、誉める
んです。理由はみっつ。

ひとつは国民の皆さんの選択は間違っていませんでしたよと
視聴者に媚びを売ること。だってすぐに叩いたら

「なんだよ、俺たちの投票行動にいちゃもんつけるのかよ」

となるから。つづいては取材しやすくなるから。
特にテレビ局は「映像」がないと商売にならず、さらには

「放送免許」

という許認可権を民主党が握るのですから、初手は嫌われない
ようにするというわけです。そして最後は

「面白いから」

シェークスピアや大映ドラマを引用するまでもなく落差は
物語の基本です。その筋立てのためにまずは盛り上げる。で、
落とす(たたく)。

安い三文芝居のための仕込み期間というわけです。

つまりいまはその「前振り」なので、党首の不倫などは
些事に過ぎず、奥様のスピリチュアルな発言もユニークな個性と
誰も突っ込みをいれません。

小泉純ちゃんに奥さんがおらずこの手法が使えなかったので
すが安倍っちの時の「アッキー」への手のひら返しの手法が
これです。

だから福ちゃんと麻生首相の奥さんは表にでてこなかったと
私は見ており、民主党党首の奥様は・・・って、あの女性の
キャラなら個人的には気にされないでしょうが。

バカ息子でも御輿、政権後の批判、その為の筋立て。

つまりはあんまり変わっていないというのが「政権交代。」
の実相だということ。

ここまで告げるた後のやり取りで結びます。

「じゃああんまり変わらないんだ」

「いやいや、変えていくために政権交代を国民が選んであっ
て仕事をするもしないも、
やるもできないも全てはこれからなんですよ」

「・・・あ、そうか」

選挙も政権交代。(←この句点が国民をバカにしている気がしま
す。もちろん同じく使っていた自民党も)も手段に過ぎず、すべて
これから始まる話なのです。

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