昨年末に読了したのですが、なかなか紹介する時間がないままに
その時間がさらに本書を深いものにしてくれました。
副題に「オウム以後を問い直す」とあります。
単純なメディア批判ではなく國學院大學神道文化学部教授という
著者の肩書きからもユニークな
「ちゃんとした宗教を報道しろ」
という視点は一読に値します。
日本人の宗教観を私は「おおらかさ」と評価しますが、一神教が
多数を占める世界では異常な光景で、また公共性という使命を持つ
テレビ局ならばその公共性には宗教も含まれるという考えになるほ
どと膝をうちました。
そして細木数子、江原啓之を筆頭に霊能者の名前が数多く登場
しますが、彼らを責めるというより、彼らを使う制作サイドに
矛先を向け、それを放送倫理規定を軸に展開するのは見物です。
読了から日増しに頷くことはこれです。
「占いは宗教ではないのか」
問いにノーと答えて迷信とするならば、次の問いが浮かびます。
「迷信ばかりを報道するテレビの公共性とは」
■テレビと宗教
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