はしか大発生に見る安全依存国家という形

熱狂的な恋をすると「はしかにかかった」などといい、すぐに冷
めるという全く持って本人にとっては信じがたい指摘だと憤慨する
のですが、振り返ると言い得て妙だったります。

そんな、青春ど真ん中(昭和表現)の大学生の間ではしかが大流行
し休校措置をとる大学が連日報道されています。

新人歓迎コンパがおわり、サークル活動が活発になったことや、
都心部の大学生の行動範囲が重なることが理由だとすると

「同時多発的はしか」

は今暫く注意が必要です。

理由ははしかのワクチン注射を中止(減らした)したことだと
されています。

ワクチン注射による死亡者がでて中止となりました。
どこかでもここ数年、冬を迎える頃から聞く理由です。
あのタミフルが投与される一因ともなった。

はしかは大流行しなくても毎年死亡者がでる油断のならない病気
ですし、何が何でもワクチンをしろ! とは考えていません。

しかし、「大学生はしか大流行」が、なんだかこの国の全ての問
題に行きつくような気がするのは考えすぎでしょうか。

昭和の子供達、もっといえば昭和のウチに義務教育を終えた
世代ぐらいまでは近所ではしかにかかった子供がでると、

「遊びに行け」

といわれたものです。
扁桃腺肥大で月1ペースで高熱を出していた私にとっては

「なんでわざわざ」

と思いましたが、大人になってからだと大変なことになるので
子供のウチにかかるもんだと半ば強制的に、さして親しくもない
家に母親に連れていかれたと記憶しています。

苦しそうに寝ている子供そばで、親同士が談笑している光景に

「俺にはわかるよ。高熱のつらさ」

と心のなかで同情したものです。

今なら「児童虐待」といわれてしまうのでしょうかね。

無事(?)はしかもおたふくも経験して、扁桃腺肥大も大人に
なるにつれ些細なものとなり、月1回寝込むのははしゃぎすぎて
3日良いレベルの痛飲をしたときぐらいとなりました。

先日、地元のケーブルテレビ足立を見ていると

「木登り体験会」

なるものが取り上げられていました。
アメリカ直輸入の

「安全な木登り」

だそうで、ビルの窓拭きをするような安全装置をつけて、
小学3年生ぐらいの男の子が笑顔で安全な木登りをしていました。

高いところは危険です。単純に。
地球に引力がある限り。

小学生の頃、同級生のO君が3m位の所から

「えいっ!」

と飛び降り、右足を骨折。

その様を見て、内心

「そりゃ折れるって」

と、男子の誰もが同情しませんでした。

木登りや塀のぼりをしているうちに、自分の限界の高さを
それぞれがもっていたので、その高さから飛び降りることの
意味を知っていたからです。

そして登る技術は下りる技術を持っていなければ行使してはいけ
ない技術でもありました。

幼稚園児でもない限り「下りられない」というのは男の恥でした
から。

同時に大半の男の子は煙と同レベルでで高いところが好きです。
高いところに登った達成感と、見晴らしと見下ろす快感は本能
的なものかも知れません。

危険を知らずに楽しい木登りを覚えた小学生が

「安全という保障がなければ木登りはしない」

というルールを守って欲しいと願うばかりです。

あの木の上からの見晴らしに魅せられて、

「木登りは落ちれば怪我をする。時には命を落とすこともある」

というリスクを知らずに登らないことをです。

暴論をいえば子供遊びに怪我は付き物です。
最初は膝をすりむく程度、木登りでいえば飛び降りて足が
ジーンとすることから始まり。バランスを崩すと樹皮は残酷な
ヤスリに化け、手や脚や顔をすりむくことw。

そして学びます。
見晴らしを楽しむには相応のリスクを背負わなければならないと。

リスクを遠ざけるということは危険を察知する感性と能力を
磨くチャンスを少なくします。

はしかは木登りよりもリスキーです。

しかし、「リスクテイク」を先延ばしにしたがために、

「大人になってからのはしか」

という更に危険にさらされています。
医学のプロではないのでワクチンの是非を論じるような思い上が
りはしませんが、

「子供から異常にリスクを取り上げてチャンスを奪っている」

ことって多くないですか。
そしてこれは大人でも。

初心者でも安心。始めてでもできる。プロがレクチャー。
社会のレベルでいえば「国の保証」。
飛躍するなら「国防」なんかも近いものが。

自らリスクを捕ることで真剣に事態に当たる能力が養われます。

もちろん、今回の大流行「子供に責任はありません」が。

はしかは法定伝染病です。罹ったらすぐに病院に行き、家で安静に
していてくださいね。

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