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リベンジポルノと坂本竜馬

 懸念が実現しました。リベンジポルノが国内でも現実的になってきたのです。リベンジポルノとは交際時に撮影されたあられのない写真を、破局後や喧嘩を理由にネットに拡散する行為です。

 今月7日明らかになったのは、東京都青梅市沢井2、無職、坂本龍馬容疑者(30)。ネット上では歴史上の偉人と同姓同名であることが話題となりました。逮捕容疑は元交際相手の都内の30代女性に、付き合いをやめると写真を拡散すると脅したメールを送付したことで、メールには女性の裸の写真が添付されていました。まさしく「リベンジポルノ」です。

 テレビなどではあまり報じられませんが、以前ブログにも記したように、三鷹でタレントを目指していた女子高生が、ストーカーとされる青年に刺殺された事件の背景にもリベンジポルノが横たわっていました。

 今回の件がすぐに立件されたのは、先の不幸な事件の教訓が活かされていると信じたいところです。

 ただし、です。三鷹のケースは少女ということから、少女特有の幼さと見なすこともできました。容疑者も被害者も30代。つまりは立派な大人です。デジタルデータは理論上、永遠に保存されます。つまり、撮影されたヌード写真、性交動画は永遠に記録されているのです。

 将来、その人か別の人かは脇に置き、幸せな家庭を築き、子供を育てているときに、その写真が流出する可能性は否定しきれません。つまり、一度でも撮影した時点、された瞬間に、永遠に流出の恐怖に怯えなければならないのです。一生消えない十字架という意味では、外科手術で切除できる「入れ墨」より人生に落とす闇は深いと言えます。

 それではリベンジポルノがどのような罪になるか。本件では交際を強要したので「強要未遂」となっています。三鷹のケースでは被写体が18才未満と推定されることから、児童ポルノ禁止法に触れるとか触れないなどの議論がネット上では盛り上がっており、これがひとつの抑止効果となったことで拡散力が弱まったことは不幸中の幸いです。だから、それが本当に児ポ法に触れるかはここでは解説しません。

 しかし、児ポ法も偶然の接触を禁止するものではなく、強要せずに拡散されただけのものなら問える罪がないのは事実です。名誉毀損など隣接する法律はありますが、そもそもリベンジされるポルノ映像は、自らが許可して撮影されており、さらには自らの手により撮影しメールやLINEで送付されたものなら、児ポ法の想定するところにはありません。

 日本の警察も無能ではありません。悪意ある拡散については隣接法で別件逮捕することはあるでしょう。しかし、悪意の有無が公判意地、すなわち「有罪無罪」をわける可能性が高く「うっかり」による流出なら、リベンジポルノの罪は問えません。※民事上の損害賠償の可能性は残されます。

 さらに匿名化ソフトの「Tor」などを使って拡散されれば追うことは困難ですし、

「携帯落とした」

 と主張し、拾った誰かの手により拡散されたものなら手の打ちようがありません。

 そして拡散されたリベンジポルノを収集する術を人類もグーグルも開発できていません。自衛こそが最大の防御でアリ、どれだけ親しい仲であっても「裸」は撮らせないしか有効なリベンジポルノ対策はありません。

 ・・・ま、常識と言えば常識なんですがね。

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