焼き肉屋もラーメン屋も入っていないのが不思議というより
権威主義のフランス人が仕切っているのだから当然で、新しい
物好きで良いと思ったものは何でも取り入れるアバンギャルド
な日本人の庶民感覚とはずれているものです。
この点は「新参者」のニューヨークを出自とする
「ザガットサーベイ」
の方が、庶民感覚にはマッチします。
・・・って、いうかぁ。
「他所様に評価されて有り難がっているじゃぁない」
ってぇの。お店が喜ぶのはそれは当然。褒めていただいて
断る方が失礼ってぇもんです。
しかしね。
「一度は行きたいあの名店」
「行列必死の激うまグルメ」
「有名人が通う隠れ家的●●」
なんてテレビも雑誌も年がら年中特集していることを
忘れているのかって。
自分たちの格付をこけにされている・・・という矜持なんて
ないざんしょね。「取材」も大人の事情が結構ありますから。
以前にもちらっと触れましたが、行列ができる焼き肉屋さん
足立区鹿浜の「スタミナ苑」に取材に来た、雑誌記者はたらふ
く食べていいました。
「え? お金払うんですか」
取材させてくださいとお願いに来ておいて、食べてから
「紹介するんだからタダだろ」
と大人の事情を垣間見せました。
中には「お車代」まであるとかないとか。
当然、スタミナ苑はお代を頂戴しました。当たり前です。
わたしゃぁ誰の評価も知らずに普通の繁盛店だった頃から
スタミナ苑に通っていますが美味しいですよ。星がなくても。
ザガット・サーベイでは評価されていましたが、誰かが
どうのではなく
「自分の価値観」
もまた、倫理と同じくこの国から消えたものだとおフランス
の「勝手に格付本」での馬鹿騒ぎに溜息が。
ザガット・サーベイはアンケートを元に。
ミシュランは「スタッフ」が調査。
民意を聞かぬ、決めるのは俺たち。
ま、何処の国でも自分が一番偉いと思っている人たちは
いるもんです。そしてそれを有り難がる人も。