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    Categories: 教育時事コラム

リベンジポルノとLINEというリスク

 鈴木沙彩さんが殺された「三鷹JKストーカー殺人事件」。被害発生を警察の落ち度とすると本質を見誤ります。今朝の新聞各紙では小早川明子なるNPO法人の代表がコメントを寄せ、名前を冠する司会者はセクハラをし、息子は窃盗をするなど、もはやギャグに過ぎないTBSの朝のバラエティ番組にも登場していましたが、彼女の警察批判は的外れ。というか、それを実現するための国民負担はどれだけに登るのか。

 いや、番組中の小早川明子氏のことばのように、警察がすぐに介入すること、法律を越えて行動することを認めると、日本はチャウシェスクが支配したルーマニアの秘密警察が生まれてしまいます。法律をもとに行動するのが役人なのです。杓子定規で融通が利かなくても、だから安心して暮らせる、そこが人治の中国、情緒法の韓国との違いです。ちなみに「人治」とは「人が治める」で、法律よりも為政者の気持ちが優先され、情緒法とは世論のまえに法律どころか、国際法も無視することを異常と思わない民度をオブラートにつつんだ表現です。

 ただし、小早川明子氏の最後の発言は重要。

「(ストーカー被害にあっていたら)危機感を持ってください。最悪を想定して行動してください(意訳)」

 そう、危機対策とは最悪を想定し、さらにそれが起きる前提で行動するものであることは、原発事故でもストーカー被害でも同じ。無人の家に鍵を掛けないなど論外。一人になるのも厳禁。鈴木沙彩さんのケースで言えば、隣家は彼女の伯父にあたり、倉本聰の甥にあたり、事件当時は在宅していました。

 なのに、なぜ。

 軽く見ていた・・・とする理由は、昨日のブログと重なります。どこかで池永チャールストーマス容疑者を小馬鹿にしていたのではないか。一般的な心理として、女性は別れる男性に未練など残しません。ましてすがりつく男を虫けらのように蔑みます。それがストーカーになったからと、親や学校、警察が関与することで引き下がるだろう・・・なぜなら、わたしに弱みを見せる弱者だから。

 こうした侮りがあったからこそ、鈴木沙彩さんは自ら撮影した恥ずかしい写真を池永チャールストーマスが持っていることを、親や学校、警察に告げなかったのではないかと。重複になりますが、仮にその事実を親に告げたとして、親は娘の不純異性交遊を学校に告げるでしょうか。それを学校が知ったとして、他の生徒に被害が及ぶかも知れない不良生徒を、学内においておくでしょうか。いつネットに拡散されるかもしれない状況で放置しておくほど警察は残酷ではありません。

 だから「最悪」に思いを馳せれば、ストーカーの被害者になったときには、包み隠さずすべてを話さなければならない。本件から学ぶべき教訓です。

 そしてもうひとつが「リベンジポルノ」。米国発の言葉で、別れた男女(に限りませんが)が交際中に撮影したあられのない姿をネット上にさらす復讐劇。そしてネットに流れたリベンジポルノは拡散され、回収することは不可能です。カリフォルニア州ではこれを禁止する法律が可決されようとし、全米へと拡がりを見せています。

 さて、日本。今後、より深刻な被害が続発すると予言しておきます。理由は「LINE」。個人的なやり取りのLINEにより、有られもない姿をやり取りする若い・・・幼い恋人達が、いつかのときに憎しみ、一報が「ネットに拡散」します。児童ポルノ禁止法に抵触しますが、そうした予備知識があるものはそもそもリベンジポルノなど流しはしません。そして匿名化ソフト「tor」を利用して、海外の掲示板に投稿し、そのURLを2ちゃんねるにでも貼り付ければ、犯人の特定は困難・・・というか、リベンジポルノは犯人がそもそも特定されているので、もっと簡単な方法は、写真や動画のデータをいれたパソコンをウィルスに感染させればOK。

 つまり、撮影された時点でリベンジポルノへのカウントダウンが始まっているということ。そういう時代を生きているということです。特にLINEは、当事者以外の関与がなくなることから、内部の同情圧力が高く、エロもテロも何でもありです。

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