都知事選 総括その1 都議会のドン編

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 2016年7月31日の午前10時ごろ、最寄りの投票所に足を運ぶと、そこには長蛇の列。政権交代選挙以来の、大混雑です。その瞬間、小池百合子氏の勝利を確信。私はマック赤坂氏を支持していたので残念。票は投じませんでしたが。

 各種選挙情勢から彼女の優位は固く、ラストスパートへ向かう中での石原慎太郎氏による「厚化粧」発言など、むしろ小池百合子氏へのエールになったことでしょう。

 産経新聞の調べに依れば、自民党支持層の過半数以上が小池百合子氏を支持していたとあります。決定打となったのは都連幹事長が発したとされる、都連推薦候補以外の応援を、親族に至るまで禁止したことでしょう。

 何度も繰り返していることですが、自由で民主的で、地域に根ざす自由民主党。支援者や後援者があっての自民党であり、区議や市議、ひいては都議です。

 それを都連の一声で動かせるとは「驕り」以外の何物でもありません。

 都議会のドンとされる内田茂氏は千代田区選出。前回の2013年の都議会選挙で8449票でのトップ当選。こちらは1人区ですが。

 有権者数41,579人に対して投票者数17,725人ですから、投票者の約半数が内田茂氏に投票したことになり、千代田区では圧倒的支持率といえます。

 週刊文春の報道では、内田茂氏は神田の生まれ育ちの元不良。紆余曲折を経て、鳩山威一郎元外相(ルーピーパパ、邦夫氏御尊父)の下足番から政治家人生をスタートさせたのであれば、組織力は言わずもがな。圧倒的な分母の少ない選挙区では「組織」が結果を左右します。これが「驕り」を生み出したのでしょう。

 予断ながら、たびたび千代田区民をブログのネタとしてとりあげる、テレビコメンテーターのやまもといちろう氏。

 今回の都知事選挙において、とりわけ増田寛也氏をケチョンケチョンに叩いておりましたが、内田茂氏については触れていません。内田茂氏が地元の祭りで配ったとされるビール券について当てこする記述はありましたが、嘲笑的な謝罪を演じたのは都民の立場からで、千代田区民ではありません。わずかなネタも膨らませる彼がここに触れないのが不思議です。

 彼には奥さんもいるようで、ならば「2票」があるはず。山本太郎を落選させることができず、かつては平山たいろうを落とすことも出来なかった私が言える立場ではありませんが、無能と烙印を押す候補者を推した内田茂氏の「製造者責任」について千代田区民としてどう思うのでしょうか。

 あるいは地元選出の大物都議について独自情報を持っておらず、地元に溶け込んでいない可能性も残されますが。

 政治家はみな傲慢。とりわけ自民党の議員は。とはマスコミが作った虚像です。

 自民党都連のナンバーツーとされるのが高島直樹氏。我らが足立区選出の都議で、55,761票を獲得しています。この時、足立区の最低得票者は元民主党で、維新の会から出馬した鈴木勝博氏の21,252票。内田茂氏の2.5倍の得票数で落選しています。都議会議員選挙において「一票の格差」は完全に無視されています。

 高島直樹氏の地元は北千住で、単純な距離では千代田区を横断する以上も距離が離れた古千谷本町の小さな祭りで、彼にお目にかかったことがあります。

 大柄なことからの存在感はありましたが、気さくながらも気配りの人で、なるほどと感心したことを覚えています。町会のオッさんらが、一定の敬意を持ちながらも、気安く語り掛けていたからです。

 こうした末端の区民や都民に接していれば、号令一下ですべてが動くという発想は生まれはしません。仮に報道が事実であるならば、内田茂氏という個人のエラーとみるべきでしょう。あるいは千代田区民の責任です。

 また、そのボスキャラ的存在の内田茂氏こそ「弱点」と見抜いた小池百合子氏の「勝負感」の勝利です。

 ある政治ジャーナリストによれば、内田茂氏は昨年から後継へと引き継ぐ段取りをしていたそうですが、石原伸晃都連会長に請われて、参院選まで継投したいいます。

 すでに千代田区議に娘婿の、内田直之氏を送り出しており、ゆくゆくはといったところでしょうか。もちろん、これは千代田区民の選択で、足立区民が口を挟むことではありません。

 都民としての率直な感想は「ま、自民党だしね」という安堵感。ただし「勝たせすぎた」という危惧もあります。

 防衛大臣時代の守屋事務次官との「バトル」を思い出せば、今後も「軋轢」が起きて混乱することでしょう。民意を背景に語り出したときの政治家が、暴走を始めるのは猪瀬直樹氏と舛添要一が二代続けて証明して見せたことです。

 だから、小池百合子都知事閣下が、今後「民意」を繰り返すようになったら黄色信号。破綻は目の前ですが、いずれにせよ「都民」が甘受すべき罰ゲームです。

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