中村俊輔外しを報じないなぜ?

 サッカー日本代表監督 岡田武史さんの評価が高まっていると
メディアが報じます。戦前の予想を覆してのグループリーグ突破に
掌がえしというわけです。ネットでは

「岡チャンごめんね」

と大騒ぎとありますが、これも「一部ネット」の動きを大騒ぎし
てとりあげるのは、自らの代弁行為で、過ちを認めたがらない
各種メディアが一部のネットの声を拾うことで、批判していた過去
を巧妙にすり替えようとしているに過ぎません。

負けたから言うのではなく、岡田監督への戦前の批判は当然の
ことです。

「負ければ監督責任、勝てば選手の力」

とは何度も引用しましたが、神様ジーコのお言葉です。その
ジーコやトルシエへの誹謗中傷と比較すれば岡田監督への批判など、
イヤミ程度に過ぎません。

そして、この点は非常に「奇妙」なことですが、

「中村俊輔外し」

を報じないことです。かつての「キング・カズ」を挙げるまでも
なく中心選手を起用しない場合、批判は当然として、外したことで
結果を出した時は「世代交代」が語れるものですが、彼に関しては
箝口令でもひかれたような状態です。

まるでトルシエが彼を起用しなかった理由を、彼の信仰がフランス
では「新興宗教」として扱われ、それを嫌ったからだとゴシップ週刊
誌が面白おかしく報じたことが事実だとして、日本のメディアに
多大な広告を出稿し、お昼の人気番組フジテレビ「笑っていいとも」
には「学会枠」まであると、これまた大衆紙が取り上げるような
あの宗教組織の圧力ではないかと「陰謀史観」的にみてしまいたく
なるほどです。

さらに言えば、岡田監督が中村俊輔選手を中心に据えていたからの
開幕前の4連敗であり、外したことで日本代表のポテンシャルが
発揮されたのであれば、やはり「功罪」のどちらも監督の責任に
よるものであり、批判は当然で謝罪の必要など一片もないのです。

私が問題・・・いや、昨日の試合でもそうですが、日本代表あるいは
日本人の課題と考える理由が、中村俊輔選手を中心にしていたことと
重なります。

ここからが本題。

ゴシップメディアが報じる信仰団体に関しては有り体に言って
大嫌いですが、信仰と個人の評価をないまぜにすることはありません。

だから選手としての中村俊輔は素晴らしいプレイヤーであると
思いますし応援もしています。

しかし、「中心選手」にしたときの弊害があるのです。

ずばりいいます。

「依存」

ボールを持つと、あるいは、ピンチになるとチームメートはまず

「シュンスケ」

を探します。パスのだし先がないと、シュンスケにボールを戻します。
中心選手だから当然というレベルを超えた時点で、それは「依存」
です。

カズ、ヒデと主語を変えても同じことが起こり、昨日から今日に
かけての試合ではケイスケ(本田)に近い状況が起こっていました。

常に100%能力を発揮できるのがベストとはいえ、戦う相手も
プロである以上、相手の長所を潰しにかかるのは当然の話で、
ときには「機能しない」こともあります。

世界のサッカーを見ればC・ロナウドやカカのような
スーパープレイヤーでも「機能しない」とわかればチームメートに
スルーパスをくらうことは当たり前ですし、逆に「ボールがこない」
状態を利用して自由に動き回りチャンスを演出することもあります。

ところが「機能しない」とわかっても「中心選手」がいると
そこにボールを集めてしまうのが日本の課題なのです。

「依存」

と書いたのはオブラートに包んだ表現。で、本音はこうです。

「責任転嫁」

今回の南アフリカの大地に立った日本代表はこの傾向が少なく
それが故の快進撃だと見ています。本田だけではなく、松井大輔の
アタックがあればこその本田でしたし、誰もが自分の責任を正面から
受け止めて、余裕があれば隣のチームメートの手荷物ぐらいはもって
あげているようでした。

4連敗した頃の代表とは別チームです。控えの選手も含めて

「自己責任」

を十分に理解して機能したのは、中心選手への依存がなくなった
からではないでしょうか。

翻って我々は「政治」に依存し、責任転嫁していないでしょうか。

選挙で選んだのだからちゃんと仕事をするはずだ、するものだ、
それが仕事だろ? と。

国会議員という「日本代表」を批判しながらも、国政とは
彼らの仕事で、選ばれた以上は国民のために働くのは当然で
責任は国会議員にのみ帰すると。

それは理想論に過ぎません。
シュンスケやケイスケがFKを蹴れば必ず得点するというのに
似ています。

景気が悪くなれば政治、福祉が手薄ならば政治、郵便ポストが
赤いのはたしかに政治のせいかもしれませんが、なんでも政治に
責任転嫁していないでしょうか。

民主党への政権交代への期待と重なります。

しかし、昨年来、民主党を支持できないと書き続けているのは
あそこの党が「機能していない」からで、そこにボールを集めて
も得点は期待できません。

余談ですが「機能していない」でいえば自民党も同じですが、
「敵にパス」する回数で比較するとまだマシです。この場合の
「敵」とは政党間ではなく、防衛上の敵国であるご近所や経済
競争上の相手国のことです。

さて、それではどうするか?

4連敗の前からサポーターの間では「岡田更迭論」はでて
いました。報じなかったのは日本サッカー協会の言論弾圧に
屈した・・・とされる大メディアの問題です。

結論は「参加しなさい」ということです。政治屋さんに依存し
責任転嫁せずに参加しましょう。

以前にも述べましたが、国政という場を「サッカーグランド」
に例え、選手を国会議員とするなら、我々国民はそこのスタンド
を埋め尽くすサポーターであるべきです。

緩慢なプレーにはブーイングを。素晴らしいプレーには
惜しみない拍手を送ろうではありませんか(前首相風)。

選挙はその最たる行為です。そして選挙戦、そのものが彼らが
「機能するか」をしるよすがです。

そして、選挙対策より株価対策(景気対策)。

それが政府の仕事であり、政権与党の考えるべきことなんです
が・・・いまの政府と与党はそんな基本を忘れています。その
姿はまるでシュートを打つより、美しいパスとカバーリングに
走り回ることに重点を置くサッカーチームのようです。
 

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