内定者に給料を払う会社

 昨日公開されたマイコミジャーナルの原稿でも書きましたが、
いうは容易くおこなうは難しであるのは世の常であり、そのファジー
さも持論である

「人は愚か」

を構成する要素でチャームポイントでもあるのですが、ちらっと
苛つくのが「3連休」。

ようやくシルバーウィークから正常化しはじめた日常が、また
今週末は三連休です。これでは「休日倍額」となったマクドナルドの
フェアと同じです。

以前、マクドナルドは「平日半額」という常設フェアを行いまし
た。当初は大人気です。それまで割高と敬遠していたサラリーマン
層の取り込みに成功しました。割高というのは立ち食い蕎麦や牛丼
と比較して「満足感」が弱かったのです。

ところが月から金曜日とは7分の5です。実に71%の価格が半額、
いやすると消費者感覚ではこれが「定価」となります。かくして

「ご一緒に、ポテトいかがですか?」

に見事にはまる客単価の高い休日のファミリー客はこう受けとった
のです。

「高いジャン」

つまりは休日倍額と。

今週末、三連休。その後二週間は週5日労働。あけて翌週は
文化の日があり週4日労働で、また二週間あけて新嘗祭(にいな
めさい)、もとい勤労感謝の日で三連休。はぁ。まるでカスタネット。
ちなみに東京都ではこれに10月1日が都民の日となるので、
公立の教育機関とその生徒児童はさらに休みます。

五日、五日、連休。五日、五日、祝日。叩いて、叩いて、休んで。

いやいや、少なくとも秋の祝日は増えていない。

と、いう反論もあるでしょうが、いやいや実質増えているのです。

敬老感謝の日と、体育の日がハッピーマンデーになったことです。

覚えているでしょうか。特に昭和に育った子供にとって

「土曜日の祝日の悔しさ」

を。日曜日にずれてくれれば振り替えになり、せめて金曜日でも
休みが丸々あり、どうして「半ドン」という授業時間の少ない日が
休みになってしまうのかと暦を恨んだものです。

つまり「土曜日の祝日」がなくなったことにより、確実に全休日
が二日増えているのです。

日本は資源の乏しい国です。

これを枕詞に環境問題やらなにやらが叫ばれます。そして
懐かしい昭和では

「人が日本の資源」

はコモンセンスでした。あの高度経済成長の昭和です。
人は身を粉にして働き、時間を惜しんで勉強をしました。

長引く不況のおり、あえて苦言を呈します。

「休みすぎていませんか」

もちろん、自信の戒めとしても。
しかし多くの人は目の前の休日に跪きます。

と、ここまではお馴染みの「長すぎる前置き」です。

己のこととなる棚上げにするのは人の性分とはいえ、だからと
いって本能を律しようとするのも人としてあるべき姿です。
ルールやモラルはその為のものといっても過言ではありません。

人の食べ物をとってはいけません。
人のお金を盗んではいけません。

などなど。欲求に逆らうのは本能に反する行為ですが人は
チャレンジします。

さて、8月30日の総選挙により衆議院議員が誕生しました。
そしてその月から「歳費」が支給されるとのことに批判が
集まりました。

たった2日間で8月分まるまるです。その額、歳費と文書
通信費(事実上の給与という噂の絶えない使途不明でも文句を
いわれないお金で月額100万円)の計230万1千円が
満額支払われました。全議員で約11億円。

さて「あなた」ならどうする? という話。
貰いませんか?

これに対して、多くの国会議員がしたり顔で「おかしい」
といいます。しかし返金すると寄付行為となるのでできない。
言葉の裏には仕方がないとあります。

すっかり文化人枠にはいったかと思えば
ビッグコミックスペリオールにて何にでも噛みつく野犬芸を
披露している西原理恵子画伯描くところの「ホモかっちゃん」
ことコラムニスト勝谷誠彦さんがこの寄付行為については
面白い提案をされていました。

「満額貰うのがおかしいと思っているのなら
政党助成金で相当額を拒否すればいい」

なるほど。日本共産党は受け取りを拒否していますしね。
一方で筆坂秀世さんの著書「日本共産党」では党員などの身内
からの「搾取」が描かれており、だったら受けとってしまえよ
と呟いたものです。

くれるという制度があるのです。貰いませんか?

こんな意見もあります。

「政治家は落選したら無収入。秘書も含めて生活がある」

なるほど。この台詞を「一発屋芸人」の皆さんはどう思うの
でしょうか。いやはやこれは失礼な話かも知れません。
自らの才能と努力だけで戦う芸人さんにか、政治屋さんに
かはあえて言及しませんが。

私たち自営業も同じです。仕事がなくなれば、つまり

「顧客の支持がなくなる」

ことで失職し無収入となります。広げてみれば会社員も
同じですよね。つまりこの論理の根底には

「政治家は下々とは違う」

という意識があるということ。

ただしここで論理破綻します。

「下々と違う」

という高級な(本能や欲求の赴くままに行動することを
低級と位置づけた対極として)職業であるならば

「無報酬、あるいはボランティアでやるべき」

ではないでしょうか。もしくは

「平均所得」

に揃えても良いでしょう。だって、私ら凡百と違い高級な
意識がモチベーションならば「喰えればいい」のではないか
ということです。贅沢などとは庶民の歓びです。さらに言えば
庶民感覚が必要ならば平均所得の生活を味わえるなど、鳩山兄妹や
麻生太郎ちゃんのような「生粋のお坊ちゃま」には新鮮な
経験となることでしょう。

こういう反論があるかも知れません。

「重要な仕事だからそれなりの報酬が必要」

これにも頷きます。しかし、仕事の軽重に報酬が連動する
なら先ほどの「高級」な意識は消し飛び、職業に成り下がり
ます。

平易な言葉に置き換えるとこうです。

「いい仕事をしたから高い給料が欲しい」

・・・だからね。落選とはいい仕事をしていないか、
仕事ができると期待されていないわけだから、収入が無くな
るのはどの「職業」でも同じこと、と論理が帰結します。

私が政治屋と表記するのは職業、まぁ屋号と同等と考える
のも理由のひとつです。だから歳費が高くてもそれなりの
仕事をすれば充分かと考えます。高級果物店の千疋屋に需要が
あるのと同じです。

結論を述べれば国民多くが

「所得に見合う仕事をしているか」

という点に疑問を持っているからこういう議論が起こるのです。

そこで「提案」です。

衆院選挙での「採点システム」の導入です。手順はこう。

1:歳費と通信費を分離し、文書通信費は使用分を完全公開を
義務づけた後に全額支給とします。「必要経費」をけちっ
てはいい仕事はできないという理由と、情報公開により
各議員の「採点」をしやすくします。

2:歳費を半額とします。月給130万円が高いか安いかとい
う議論はともかく「聖職」ならば報酬の多寡よりも情熱が
勝るであろうし、半額にしてボーナスなしだとしても
年収780万円です。その上で「民間に準拠した諸手当」
は検討材料かも知れません。そしてどうしても「入り用」
の議員には「無利子貸し付け制度」を導入します。

3:そしてここからが目玉です。半減した給与を積み立てます。

4:次回選挙にて選挙民が「採点」し、合格ラインに達しない
議員は民間の「解雇」に準じて1ヶ月分の歳費のみ支給し
積み上げた点数により、積み立てた給与を比例分配する。
無利子貸し付けの返済は原則、この「採点報酬」で相殺する。

つまりは「決算賞与」です。

どうせ、任期切れや解散で「次の選挙」があるのですから
そこで国民という株主により「採点」させるということです。

だからこんなことも起こるでしょう。

「合格ラインに達していないけど当選」

彼は薄給ならば使ってやっても良いという社員です。

「莫大な退職金を手にして落選」

功績は認めるけど、そろそろ後進に道を譲ってはと。

すると「投票率」も上がること請け合いです。

だって「一億総評論家」ですからね。
だれがいいかは分からなくても、

「こいつに100万円あげる? そんな価値ねえよ」

ならばコンビニ前にたむろする子供でも言えます。

いかがでしょうか?

まぁしかし、自分の身を削る改革ができるのかというと
疑問です。それは休みを減らされることをいやがる私たちと
同じく、この問題に野党だった民主党も食い付いていません
でしたからね。

ただ、さらに議論が置いてけぼりとなっているのが

「たった二日で満額支給」

よりも

「国会に登院すらしていない人間を議員扱いするのはどう?」

ということ。あれ、会社なら入社試験に受かっただけで
せいぜい内定通知をもらっただけでしょ? 内定者に
給料を払う会社は私の知る限りありません。

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