売国奴とウェブ人間論

対談、鼎談(三人での話し合い)などは週刊誌の覆面座談会とい
うイメージしかなったのですがちょっと・・・かなり面白いです。

今回は2冊まとめて紹介します。

■ウェブ人間論
http://www.as-mode.com/check.cgi?Code=4106101939

Web2.0というよりはグーグルのエバンジェリスト(伝道師)
梅田望夫さんと、作家の平野啓一郎さんの対談集。

もう一冊が

■売国奴
http://www.as-mode.com/check.cgi?Code=4828413871

こちらは黄文雄(台湾)、呉善花(韓国)、石 平(中国)といった
近隣諸国の鼎談です。

ウェブ人間論は前に読んでいたのですが、私の価値観からちょっと
紹介することをためらっておりました。

オプティミスト(楽観主義者)を公言し、シリコンバレーを礼賛
する梅田氏と、人とは何かという根源に向きあう作家稼業の平野さん
の「根」、世界観といっても良いかも知れませんが、その大きな隔
たりを擦り合わせようとする様は一読に値するのですが、平野氏が
一歩踏み込み議論に持ち込もうとすると、梅田氏は1歩半下がり、
かわすような印象を受けたからです。

社交辞令のきらびやかなその場限りの会話においては卒がない
梅田氏の「いなしかた」が良しとされるのでしょうが、吐いた唾を
飲めないとビーバップハイスクールから教わった人間としては、

「口げんか(議論)は引くな」

という価値観をもつことからも控えておりました。
これを「大人の所作」と許せるならばまた評価は変わるのでしょ
うが。

ただ非常に残念なのが

「ウェブ2.0での最強属性はニート」

という拙著での指摘が一切言及されていないところ。
「人間論」というタイトルからそこに踏み込んでいるのはウェブの
エキスパート(コンサルがそうかという議論はさておき一般的に)
である梅田氏よりも平野氏です。

そしてこちらは面白い。
文章化された時点で整理されているのでしょうが、議論とはかく
あるべきというか、互いにどうどうと主張します。

時に解釈の違いが生じれば、指摘しますが正そうとはしません。
しかし、指摘に啓示を受ければ考えを改めることを表明して
謝辞を述べます。

台湾、韓国、中国。歴史的経緯は近く、立場が違う国の出身者が
冷静に自国を見つめます。母国で入国拒否されたりしながらも、
自説を曲げることなく「戦ってきた人」の言葉にぶれはありません。

私の感想ですが、ウェブ人間論の後半は梅田さんの軌道修正を
感じるのでしょうが「気づき」を得たといわれればそれまです(
しかし、この気づきの寿命も短かったですね)。

国家、民族、歴史、文化、日本、反日

章が進むにつれ「どうしようもなさ」が浮かび上がってきます。

日本国の。

お三方は日本非難をしているのではありません。母国の価値、
歴史の解釈の違い、内政・外交上の迷走などを語っているだけで
す。

つまりは

「ご近所と仲良くするには日本が毅然としなければならない」

という結論になるのです。

本書の中での発見をいくつか紹介します。

「中国には“国家”という観念がない」
「韓国は歴史認識を“議論”しない」
「中国では血縁から先に騙す」
「おまえは日本人か中国人かと問われれば“関西人”と答える」

最後の一節は石さんのジョークですが、関西に居を構え
その伝統風景もろもろを含めて日本の良さは関西に凝縮され
ているといいます。

そしてお三方の統一意見が

「反日的な日本人が一番嫌い」

いやはやごもっとも。何処の国の愛国主義者でも自国を
悪くいう人間は信用しません。信じられないのです。

梅田さんの言説を見ていていつも思うのが、そこまで
シリコンバレーを礼賛するならアメリカ人になっちゃえば
いいのにと。これは大江さんにも言えますが。

■ウェブ人間論
http://www.as-mode.com/check.cgi?Code=4106101939

■売国奴
http://www.as-mode.com/check.cgi?Code=4828413871

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