ネット動画が選挙を変える。使わない政治家は退場していく


本ブログの内容を動画にしています。張り切りすぎて20分の長尺になっていますが宜しければどうぞ。

 圧倒的な民意が示された選挙が終わってから、朝日新聞は“与党で議席3分の2、「多すぎる」51% 朝日新聞社世論調査”と、手前勝手に調べた数字をもとに見出しを打ちますが、それは民意の否定に過ぎません。

 民主主義国家において、選挙は最大の民意の表明です。そもそも報道機関の世論調査には一定のバイアスがかかっており、共同通信の記者だった青山繁晴議員は、設問次第でいくらでも操作できるとネット番組「虎ノ門ニュース」で繰り返し指摘しています。

 これは広告に利用するためのアンケート調査でも同じ。一例を挙げれば、「どちらかといえば良い」のような中間的回答を加えておくと、「良い」と併せて「概ね好評な声が多数でした」と雑ぱくに括れるからです。

 朝日新聞の世論調査に嘘やバイアスがないとしても、それは実に日本人らしいバランス感覚とみるべきでしょう。「圧勝」という結果を前に「やや多いかな」という評論家的なポジションに我が身を置くことによる「逃げ」ともとれます。

 反対に朝日新聞が導こうとする「民意ではない」とするなら、投開票日の翌日、翌々日に実施された世論調査ということは、たった1日、2日で「意見」を変えたことになります。

 安保法制を戦争法とレッテルを貼り、議場内でプラカードを持ち反対と叫んでいた民進党議員(当時は民主党)や、国会前のSELADsどものデモ活動で、メガトラ片手に抗議していた細野豪志氏のように、小池百合子人気にあやかろうと「希望の党」へ入るためなら、手のひらクルーで「賛成」と、我先にと手を挙げた連中ほど、日本人は無節操ではありません。

 つまり、朝日新聞の世論調査を正しいとするなら、日本人は一日や二日で、支持政党を、意見を変える信用ならない人物になるということです。朝日新聞がそうだとしても、多くの日本人は嘘を嫌います。

 そんな嘘を嫌う日本人に「朗報」があります。「ネット動画」の存在です。
 今月号の「正論 ネットバスターズ」もこれを中心に取りあげています。

 ネット動画とは「自動再生」するもの全般を指しますが、本稿においては選挙期間中は「生配信」、通常の選挙活動としての「ネット番組」を指します。

 生配信とは地上波テレビにおける「生中継」と同じで、ネット番組はいわゆるテレビ番組と同じく、収録し編集して配信しています。

 政党や候補者が配信するものもあれば、支持者や、反対にアンチが「晒す」目的で配信しているものもあります。そしてどちらも「生」です。

 今回の選挙戦でいえば、安倍晋三首相が街頭演説に立った際、「安倍ヤメロ」とプラカードを持つアンチ派が、いかに少ないかを安倍・自民支持派が撮影し配信していましたし、このアンチ派だけを撮影し続けるTBSの撮影クルーの映像も拡散されています。

 いわば現場の「嘘」の少ない情報を、ネット動画により得ることができる時代になったということです。もちろん、撮影テクニックを駆使すれば、生配信でも情報操作は可能なので「少ない」としておきます。

 選挙戦最終日の秋葉原での安倍首相、自民党の最後の街頭演説にも、先の都議会議員選挙で野次を飛ばした「こんな人たち」の姿が多少は確認できていました。しかし、あくまでレアな少数派で、また安倍・自民党支持者だけではなく、パヨクとマスコミがタッグを組んでの偏向報道に憤りを感じるネット民が多数待ちかまえていたこともあってか、「こんな人たち」の思惑は粉砕されました。

 これには伏線があり、千葉県柏市で行われた街頭演説で、妨害する「こんな人たち」に対して、通りすがりのおばちゃんが「演説邪魔するな。お巡りさんどうにかして」と抗議する映像がネット上では拡散されており、札幌市内の演説でも「こんな人たち」が支持者により排除される光景が共有されています。

 荒天の中、わざわざ秋葉原まで足を運び、首相の演説を聞きに行った文字通りの「市民の声(ただし安倍・自民党支持者)」の前に「こんな人たち」が現れたらどうなったことか。ビビってこなかったという声もありますが、私は先の都議会議員選挙での行動を自省したと信じたい(棒読み)。

 生配信の存在が、マスコミに嘘をつかせないようにしている。だから嘘を嫌う日本人にとっての「朗報」なのです。

 つい先日、ベストセラー作家百田尚樹氏が沖縄県で講演会を開き、いわゆる反基地活動家に中国人や韓国人が多いと聞いて「怖いなー」と発言すると、それを沖縄タイムスの阿部岳記者は「差別だ、ヘイトスピーチ」だとなじりました。

 百田氏は日本国内の問題に、外国人勢力が介入することについて「怖い」と表現したのであって、何人であっても同じだと説明し理解したかと訊ねると、阿部岳記者は

「それでも差別意識がでちゃったのかな。相手が差別と思えば差別」

 と、繰り返し、そしてそのまま記事に書くと捨て台詞を吐いて去って行きました。

 このやり取りは「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」代表運営委員である我那覇真子氏が即座に「生配信」したことで、当日中に日本中が知ることとなり、翌朝の記事は、捨て台詞とはかけ離れた軌道修正されたものになっていたと言います。

 仮に「生配信」がなければ、阿部岳記者の主観のままに記事を書いたかも知れません。だって売れっ子作家の百田尚樹氏が、30分以上の時間を費やしての説明に先の答えなのですから。

 もちろん、与党、自民党、安倍晋三首相にとって良い情報ばかりではないでしょうし、都合の悪い事実であっても生配信は映しだすことでしょう。そしてそれは「国民の知る権利」を実現します。

 さらに生配信の利点は「保存」されるところにあります。

 生配信の種類によっては、その場限りというものもありますが、ユーチューブなどは保存され何度でも繰り返し見ることができますし、その生配信をライブで録画して拡散するネット民もいます。

 対する地上波テレビはどうでしょうか。オンエアされておしまいです。検証する術がありません。全番組録画して見ることは事実上不可能で、彼らは偏向報道により世論を操作してきました。

 そしていま、各ワイドショー、ニュース番組は、数多くのネット民が録画し、保存し、問題発言の見つけては、解説付きでネット上に拡散されています。

 著作権法から問題がありそうなコピペ動画も散見しますが、国民の知る権利とのバランスから今後、十分に議論が尽くされていくことになることでしょう。著作者の権利は守られるべきですが、公益のための検証は引用の枠内に収まるのではないかと。ネットという新しい公共空間のルール整備は、国民の負託を受けた国会の仕事です。

 もうひとつの「ネット動画」は、いわゆる番組ですが、こちらは「放送法」のしばりを受けません。だから政治的偏向もOKですし、主義主張による偏りだってOK。

 この代表格が「報道特注(右)」です。自民党入りした和田政宗参院議員、日本維新の足立康史衆院議員、筑地マグロ仲卸の三代目の生田よしかつ氏をコアメンバーに、時事を切り取るネット番組。

 生田氏は自民党の平将明氏を「盟友」とし、自民党が定期配信するやはりネット動画「カフェスタ」でホストを務め、自民党の次世代の議員候補者を選抜する「オープンエントリー」に参加するなど自民党支持者というか、ほぼ関係者で、2人の国会議員も保守色が鮮明。

 だからと自民党をほめそやすかといえば、そんなことはありません。是々非々ながら、放埒な言葉が飛び交う「本音トーク」が大人気。和田政宗参院議員によれば、安倍首相を筆頭に、国会議員の多くが見ており、さらには霞ヶ関の官僚も見ているといいます。

 生配信も含めたネット動画の最大の利点は「誰でも配信できる」というところにあります。だから左派というか、パヨクな人々もネット番組を配信していて、あの民進党だってやっています。

 そしてそれぞれで偏向報道をやっています。まさに「言論の自由」です。

 もちろん、片方の配信だけを見ていれば、洗脳され偏狭な思考になることでしょうが、それは選択の自由であり、個人の自由です。むしろ「不偏不党」と中立を装いながら、一方を贔屓している地上波テレビや朝日新聞より「嘘」がない分、マシであり、日本人の感性にマッチしています。

 どんな社会的騒動が起きても、阪神タイガースの動向が一面を飾る「デイリースポーツ」に対して『偏向報道だ!』と糾弾しない理由と同じです。

 安倍首相及び、自民党は今回の選挙を通じて「ネット動画」への可能性を確信に変えたことでしょう。事実、最後の街頭演説を終えた直後の安倍首相は、自民党の広報番組ながら「カフェスタ」に生出演し、投開票を締め切った直後には、百田尚樹氏がホストを務めた「ニコニコ動画」の番組に電話出演しました。未確認情報ながら、地上波テレビのどこよりも早く、ネット番組に出演したといわれています。

 選挙や政治はニコニコ動画のドル箱コンテンツで、同時間帯には豪華なセットが組まれた舞台で、夏野剛氏、津田大介氏、東浩紀氏に、政治家を含めたゲストを交えて選挙結果を分析する番組が放送されていました。

 百田尚樹氏の方はジャーナリストの有本香氏と、先の仲卸生田よしかつ氏の3人が、狭い部屋で弁当食べながら「ダベる」だけ。

 どちらもニコ動ながら、ユーチューブにコピペされていて、選挙から二日後にチェックすると、百田番組は22万の再生回数を数え、一方は4万7千ちょっとと5倍の開きがありました。

 これを取りあげた私のツイートが「ネットニュース」になっていたのは笑いましたが、どちらが人気かを比較するのが目的ではなく、「放送中」「選挙直後」というライブでなくても見られるネット動画による波及力、拡散力を紹介するためのものでした。

 もちろん、興味があるから見られるのであり、実際に百田氏の番組のほうが私は面白いと感じましたが、こうして「その時」を逃した国民に、知る機会をネット番組は与えているのです。

 なお、ニコ動での生配信では、夏野氏の番組が20万を超え、百田氏は8万ちょっと開きがあったようです。しかし、百田番組はシステムトラブルでみられなかった視聴者も多く、正確に比較することができません。

 最後に「予言」をしておきます。

 次の選挙戦においても、自民党が安倍総裁・首相ならば、空中戦と呼ばれる宣伝活動は「ネット」に完全に軸足を移すことでしょう。

 むしろテレビ番組にでない、という手もあります。その代わりに左派の番組も含めたネット番組をハシゴして、国民に伝えるべきメッセージを発信します。

 どうしてもと請われれば地上波テレビにもでることでしょうが、そこでこういうのです。

「ネット番組では自由に意見を述べることができる。国民の皆さん、いまはスマートフォンからでもネット番組を見ることができます。投票先に悩んだら、一度、ネットを見てください」

 ・・・テレビにとっては赤っ恥ですが、それは自らがまいたタネであり、そして同時に現実から逃避した果ての結末です。なぜなら、トランプ米国大統領がツイッターでやっている手法だからです。

 大手メディアとの接触を極力減らし、ツイッターで多弁。問題発言もありますが、大統領の「肉声」を知る唯一の方法がこれならば、ツイッターで得た情報をあの、宿敵であるCNNだって報じずにはいられません。

 批判と中傷と偏向の果てに、トランプ語録を鵜呑みにするはめになった、これがいま、米国マスコミが直面していることで、これを次の選挙で安倍首相と自民党は仕掛けてくるという「予言」です。

 当たるも八卦、ながら、これもまたネット情報なので「保存」されており、間違ったときには私が赤っ恥。潔く「ごめんなさい」と私は言います。

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