月刊 正論 2017年5月号「絶望の朝鮮半島…」


 今月の「ネットバスターズ」は、

《ネットの「自浄」すらない既存メディア》

 と題して、メディアの偏向報道、神編集を指弾します。
 便所の落書きと揶揄されたネット情報は、かつて左翼の独擅場でした。一例を挙げれば、我が町足立区に誕生した「吉田万三」区政は、財政をボロボロにした果てに、区政機能不全の果てのリコールながら、「抵抗勢力との戦いに力尽きた」的な神話が拡散されています。

 しかし、いまネットには多くの事実が「ストック」されています。そして日々、検証され、とりわけ保守勢力やノンポリがこれに熱心で、パヨクの嘘が暴かれます。

 テレビ、新聞もそのターゲット。ネットを手放しで礼賛しませんが、ネット上に拡散された情報をもとに検証し、事実で上書きしていくネットと比較して、あけすけな「思惑」と「願望」で加工して報じるメディアの体たらくを取りあげています。

 江崎道朗先生の

《中国にとって日本は昔からスパイ天国》

 は目からウロコ。小見出し「留学生が中国共産党を作った」との項は、なまじ中国人留学生を受け入れていた事実を知るだけに、盲点というか無知を恥じます。

 さらに連載の「SEIRON時評」を怖れずに要約すれば《自衛隊は貧乏で弱い》。

 駐屯地でのトイレットペーパーは自前だそうで、高熱を出した隊員に衛生兵が処方したのが、市販品の「バファリン」。前者は笑い話にしても、後者は「医師の処方箋が必要な薬」は携行できないからです。

 法的な裏付け不足と、これは歴史的な反省のない「兵站不足」。

 日本の国防はかなり「ヤバイ」ようです。

 朴槿恵前大統領の罷免に疑義を唱えるのが、西岡力先生の《韓国ポピュリズムの正体》。

 マスコミは誤報を繰り返し、国民世論に憲法裁判所がおもねった果ての弾劾で、法治国家としての審理がなされていないと喝破しますが、恐ろしくなったのは、森友学園を巡るバカ野党、もとい民進党らとマスコミの糾弾も、同じ様相を呈していること。明日は我が身にしたくはありません。

 古森義久氏の《アメリカが北朝鮮を攻撃する日》は、今朝もまたミサイルを発射し、きな臭い北朝鮮情勢を理解するよすがになります。

 いまも続く「ニュース女子」の騒動では、超短編ながら呉智英氏の《ヘイトと言われりゃ、ものも言えぬ?》が秀逸。

 小浜逸郎氏の《プレミアム・プライデー狂想曲》の副題が《働かなくて本当にいいの?》。

 労働人口が減っているなか、労働時間を減らすってどういうこと、という指摘と、そもそも論で、サービス業や小売業、レジャー産業など「プレ金で街にでた人をもてなす仕事が多い」ことから本末転倒とからかいます。

 甘利明元TPP担当大臣のインタビューに、井上和彦さんの連載《演劇界が左にぶれるのはなぜ?》では、映画監督の野伏翔さんによる「ロシア文学の影響」の指摘など、今月号はバラエティに富みつつ、特定分野をしっかり掘り下げていて、これぞ月刊誌! という仕上がりです。

 あ、なお、私は「ネットバスターズ」の執筆しか関与しておりません。

月刊 正論 2017年5月号「絶望の朝鮮半島…」
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