喉元過ぎれば熱さを忘れる。とはよくいったもので、都心に足を運ぶと、無人のエスカレーターが空気を運び、嫌がらせのように効き過ぎるエアコンは、夏に膝掛けを必要とさせ、小学生でもないのに冬場にTシャツ姿の大人を増殖させます。
しかし、原発再稼働も覚束ないなか、老朽化した火力発電所を稼働させて凌いでいるのが、昨今の電力事情です。火力発電所を新設すれば、地球温暖化ガス減少との整合性がとれず、自然エネルギーは現時点において代替となり得ません。
ドイツのメルケル大統領は、来日前にわざわざ動画を作り、「脱原発」を呼びかけましたが、穿った見方をすれば、親中派のドイツが、相対的に日本の国力をそぎ落とさせ、中国を利するための援護射撃と私はみました。
ドイツは脱原発に舵を切ったものの、原発大国のフランスからの電力供給を受けており、再生可能エネルギーだけで乗り切っている訳ではありません。
これに再生可能エネルギーの推進派は、独仏の電力輸出入の関係で見ると、ドイツからフランスへの電力供給量は「輸出超過」となっていると反論します。
ならば、ドイツの方が上、と短絡的にはなりません。
電力問題を取り上げている「icchou」さんのブログによると、ドイツは周辺国と電気の売買をしており、祝日でドイツの電力使用量が極端に低いときに、風が強く(風力)、晴天(太陽光)だったある日、1KWhあたり4円弱にまで電力価格が下落したといいます。
すると火力など、出力を調整しやすい発電施設を、一時的に止めて「輸入」するほうが、得となるので、結果的にドイツは「輸出超過」になっている面もあると指摘します。さらに関連したブログでは、取引をする周辺国の電気会社の経営不安をもたらしたともあります。
http://icchou20.blog94.fc2.com/blog-entry-510.html
ちなみに本日受け渡し分の「日本卸電力取引所」の価格は15〜17円ほどです。
つまり、EUに渡る「電力網」と「取引網」があって、はじめて実現しているのがドイツの「再生可能エネルギー」ということで、メルケルの指摘を鵜呑みにすることは、中国と韓国を利するだけです。
だからと原発をガンガン再稼働・・・となるまえに、自省をモットーとする日本人、ならばこその提案です。毎年、3月11日からの1週間は
「計画節電の日(ウィーク)」
としてはどうでしょうか。
鉄道は貨物を除き、全国規模で減便します。山手線などは内回りの本数はそのままに、外回りは半分以下にしても問題ありません。日中5〜6分に一本の山手線の運航間隔が、10〜12分になるにすぎないからです。また、各駅の間隔は最長でも2キロちょっとなら、タクシーでも自転車でも、最悪、歩けない距離ではありません。
朝夕のピーク時も、1〜2割程度の減便なら、さしたる混乱もないでしょう。さらに日中の構内は消灯を義務づけ、パチンコ店も期間中はネオンを抑え、店休日を設けるか、営業時間を短縮するかさせます。
短いエスカレーターは老人や障害者、妊婦専用としても、全面的な「利用中止」にしないのは、つくばエクスプレスや大江戸線のように、大深部に駅がある路線での実現困難だからです。
テレビも月〜金曜日は、民放は持ち回りで「1局」だけ放送し、NHKは「教育」を休止します。土日は「全休」とするのが無理ならば、せめて通販番組しかやっていない「早朝・深夜」は放送停止します。
ネットも回線会社やプロバイダーレベルで、「通信制限」をサーバレベルでかけることで、擬似的な節電状態を作り出します。
そして「電気のありがたさ」を確認します。
東日本大震災の発生時間を、不幸中の幸い、とすると叱られるでしょうが、都市部で言えば、震災発生時刻が「通勤通学」のピークに当たらなかったことで、都市部でのパニックによる二次被害を回避できました。
繰り返しになりますが、日本の発電状況は「綱渡り」で、次の震災では大規模停電の発生も考えられます。そしてドコモとauがサイトで公開する資料には、停電発生時、地下鉄やトンネルでは基地局が不通になることが示唆されています。
つまり、震災により停電が起これば、揺れ+暗闇+ケータイの不通となる可能性があり、このとき乗客のパニックを抑えることは現実的な課題です。
パニックによる災害は、訓練により相当軽減することができます。また、節電への意識の高まりは、平時でも悪いことではありません。エスカレーターを控え、階段を多用することでメタボリック症候群の解消に繋がることも期待できます。
いかがでしょうか。まずは個人レベルで、今日ぐらいはスマホの電源を数時間でも落とし、階段を使う。ひと駅手前で降りて、平時の幸せを噛みしめる日にしてみては。
わたしは夕方から、しばし「自主停電」。ま、「さぼり」ともいいますが。