山本太郎と日本共産党とオウム真理教

 共産党が躍進にはしゃいでいます。

 我が町、足立区は革新系が強く、それは貧困を理由としているというのがもっぱらの定説です。

 こんな噂があります。

「生活保護を受けるなら共産党の区議に声をかけろ」

 さらに言えば、こんな噂もあります。

「足立区で生活するなら区議の知り合いを作らなければならない」

 ま、こちらに至っては嘘に近い噂ですが、共産党に関しては根はともかく「葉」ぐらいはあります。

 ある初老のご婦人が病気により労働が困難となり、退院後は生活保護を受けたいと希望しました。生活保護と一口に言っても、医療費を支援するものから、まさしく生活全てを丸抱えにするものなど、人によりそれぞれで、日本の福祉システムは良くできているなぁと感心するところで、最低限のいきる保証はしてくれます。

 ただし、そこは役所仕事。手間はかかります。そして弱者は不安です。不正受給を狙うような輩ではなく、本当に生活保護を必要とする弱者は、支給の有無が生死と連動するからです。

 そこに共産党の区議が手をさしのべます。車椅子のご婦人を手伝って、役所内を縦横無尽に駆け巡り、必要な手続きをクリアにしていきます。そして区役所職員にとって、区議とはチェック機関であり、語弊を怖れずに言うなら、会社における監査役のようなもので、区議のご機嫌を損ねまいと、丁寧に対応するのは役人根性というより、円滑にやり過ごす処世術です。

 そして無事、生活保護が認められ、ご婦人は共産党の区議に感謝をします。

 区議が手伝ったのは申請の手続きだけです。せいぜい、車椅子を押したぐらいでしょうか。身寄りも貯金も資産も無く、労働もできず、障害により車椅子生活を余儀なくされたご婦人なら、一般論として区議を経由せずとも生活保護の申請は受理されます。むしろ、区議の口利きがあったからと、生活保護が認められるほうが問題です。つまり、共産党の区議の力でも何でもないのです。

 しかし、弱ったときに差し出された手のひらに感謝をしない日本人は希です。また、共産党区議が裏で手を回してもいません。あくまで善意として手伝った結果に過ぎないのですが、こうして有権者のお手伝いができる理由を、とある地方の与党系の議員が眉間にシワを寄せながら教えてくれました。

「あいつらは仕事していない」

 真偽の程は定かではありません。ただ、与党系議員が現実の問題と対面し、役所と折衝を重ねるなか、十年一日の理想論をコピーするだけの政治活動しかしていないと揶揄してのことです。

 同様の噂を公明党でも耳にします。なんども。そこからまことしやかに囁かれる噂を統合すると

「共産党か公明党の区議に知り合いを作ること」

 が足立区で上手く生きていくための条件となります。そういえば自動車免許教習所の「予約」を取るときに、春休みということもあり日程が厳しいなか、区議の口利きで優先的に予約が取れたことがアリ、後にそれが共産系の区議だと知りました。区議も政界を引退し、教習所もすでに廃業したので、なにが理由かは闇の中ですが、実際に私も恩恵にあずかったことがあります。四半世紀前の出来事です。

 ちなみに、かつて土建ビジネス華やかなりしころは、自民党の区議と親しくするメリットがあったようですが、公共工事の削減と入札の透明化が進み、いまは区議より、直接区役所に食い込む方が美味しい・・・という噂、あくまで噂があります。

 ついでに余談の捕捉を。少子化とマイカー離れも手伝い、いま自動車教習所は閑古鳥が鳴いており、教習の予約を取るのは容易ですが、かつてはキャンセル待ちのために、一日教習所にいる生徒もいたほど繁盛しており、建前上、需給の関係があってはならないのですが、教習所も教官もいばりくさっていました。いまは? 超お客様あつかいで、運転技能もはっきりいって低下しています。近くに民間教習所があれば見学に行くと、技能レベルの低下は明らかですよ。

 さて、共産党の躍進。産経新聞はいまだにネット選挙の敗北を認めず、なにか盛り上がったネタを必死に追い掛けており、プロパガンダ状態となっていますが、この新聞の主張を受け入れるなら、ネットの活用となります。

「カクサン部」

 と称し、ゆるキャラを投入し、ニコ動で大人気。

 残念。恋は盲目を通り越して宗教になっている典型的報道です。ネットを第一に持ってくることによる錯覚。ネット上で共産党は嘲笑の対象で、志位委員長は「C(シィー)」と記号です。

 ただ、自民党についでネットを活用したのが共産党であるのは事実。というか、かつてのインターネットは左利きが大活躍しており、低予算で情報をまき散らすことができるネットを古くから活用していた、そしてそれを愚直に続けてきたことが華開いたものであり、むしろ、既存メディアから相手にされなかった裏返しです。

 共産党の躍進を他紙に目を移せば、概ねこんなところでしょうか。

「アンチ自民の受け皿」

 だとすれば、野党の不発であり、それは橋下徹の責任でしょう。慰安婦や性風俗への発言ではありません。

「東のみんな、西の維新」

 と選挙協力により、地力を蓄えて、政権交代を目指すという計画の初手で躓いたのは、維新が国政政党へと、衣を脱いで鎧を見せたときの人気に欲をだした、橋下一派が、最低でも全都道府県の一区に候補者を立てると言いだしたことで頓挫します。

 それを頼ったみんなの党の罪は免れませんが、共産党の躍進の遠因は橋下徹にあるのです。

 さらに、わたしは別の角度からふたつの躍進理由があると見ています。日本の民主主義を考える上で重要な視点です。

「共産主義の失敗を知らない世代、忘れた世代の登場」

 まず、これ。北朝鮮を北の楽園と褒めそやし、ソ連の集団農場を賛美した日教組に代表される左派の主張は、ソ連の崩壊で支柱を失います。日本共産党がその流れと無縁でいられるわけがありません。

 理想は理想に過ぎず、実験は失敗したのです。

 ところが時が過ぎ、ソ連崩壊を1989年とするなら24年。
 当時に生まれた赤子が数度の国政選挙を経験しています。彼らがペレストロイカとペスカトーレを混同しても仕方がないでしょう。

 また、1998年に消費税増税の引き上げにより、大敗北した橋本自民党の間隙を縫って、日本共産党が躍進したときに、ぽろっと本音がこぼれた

「共産革命を起こします」

 という党幹部の発言からも、すでに15年が過ぎています。

 日本共産党はいますぐではないと断りながらも、数十年、あるいは100年単位のスパンで、共産革命を目指すと当時はっきりと宣言したのです。こうした過去の出来事を、国民が忘れた今回、再び躍進したのです。

 オウム真理教に通じます。いま、オウム真理教は再び信者を増やしつつあります。テレビ報道に依れば、2011年10月末には1500人だった信者が、2013年6月末に1650人と、1割増加しているのです。

 社会不安などの理由もありますが、かつてオウムがしたこと、やったこと、その主張を知らない若い世代が、入信しているといいます。さすがにオウムと共産党を同一視はしませんが、かつての失敗を忘れた国民により、蒸し返されている構図は同じです。

 それが、もう一つの理由です。

「国民はバカ」

 ・・・もとい、こちら。

「同じ発言を繰り返し活動を継続することで、存在そのものが正当であるかのように錯覚する」

 共産党は古くから脱原発、消費税撤廃、自衛隊反対などなど、変わらぬ主張を繰り返しています。コピー機さえあれば、いつでも最新版のマニフェストが作れる希有な政党です。

 それが受け入れられない、求められていないから議席を得るコトができないという発想はありません。正しいことを発言し続ければ、いつかは通じると信じます。正しいかどうかの判断は己の信条だけですから「思いこみ」に過ぎなくても怯むことなどありません。

 間違った発言を繰り返し続けることなどできないと一般人は考えます。それが善良な一市民です。しかし、特定の思想や信条に染まった人は平気で嘘を繰り返します。

 語弊を怖れずに言えば

「神の言葉」

 など最たるものです。

「聞いたんかい!」

 と聖書に突っ込みをいれるのは野暮でしょうか。

 宗教とイデオロギーは、認知のメカニズムにおいて似ています。それを信じてしまうことにより、思考の軸が宗教やイデオロギーになってしまうのです。

 すると「一般論」が通じなくなります。一般論はマジョリティというだけであり、キリスト教圏、イスラム教圏、ヒンズー、仏教、中国、韓国、そして日本にはそれぞれの一般論がありますが、ここでは特定宗教、イデオロギーとの比較のなかでの一般論です。

 平気で嘘がつける。とは、一般論が通じない状態です。神のためなら、革命のためならと言い訳が用意されることにより、嘘を肯定できるようになるのです。そして同じ言葉をただひたすらに繰り返すようになります。

 さらに「迫害」が追い打ちをかけます。イエスの受難をあげると語弊を生みそうですが、宗教の多くは迫害の歴史を持ち、イデオロギーもその轍を辿ります。

 諸処の個別理由を省略すれば、新しい宗教や、イデオロギーは、既存の体制を否定する要素があるので、体制側から目をつけられるのは当然と言えば当然です。

 既存体制=悪で思考停止するのも特徴的です。日本の新興宗教(厳密には新新興宗教)などは、既存の宗教を認めつつも、自分のところの教えが一番正しいとするものがありますが、あくまで認めるだけで乗り換えを迫るのは、乗り換えられなければ、自分たちの存在理由がなくなるからで、結局は既存体制の否定であることに変わりはありません。

 批判も否定も攻撃=迫害と受けとります。だって、自分たちが正しいのですから、否定すなわち攻撃であり、正しいと信じるから迫害と感じます。

 そして内向きの求心力がより強くなり、平気で嘘がつけるようになります。もはやこのレベルになると、嘘と自覚せずに嘘をついているのです。

 その昔、端的に言って嘘つきだった甥に「嘘」について、こう説教をしました。当時の彼は15才、中学3年生のことです。

≪相手を陥れるため、自分の利益のために人を騙す発言は嘘。これはわかるな? では、そうするつもりだった、やるつもりだった。けれどできなかった。これを嘘と思うか? きっと嘘と思わないだろう。でもな、それも嘘なんだ≫

 ショックを受けていました。でも、彼の嘘の大半は、これだったのです。自分はやろうとおもっていた、できると信じていた。結果が伴わなければ、すべて嘘になり、人から信頼されなくなると説教をまとめます。

 もちろん、すべてが実現できるほど人生は簡単ではありませんし、チャレンジした結果の失敗を嘘という人はいないでしょう。しかし、あきらかにできないこと、やっていないこと、取り組んでもいないことを

「いまやろうと思った。俺はまだ本気を出していないだけ」

 といっても通じないどころか、それを「嘘」というのです。悪意と自己保身という我欲がなければ「ホラ」と呼びます。

 さて、脱原発、消費税撤廃などなど。嘘で失礼ならホラを叫び続けているとわたしは考えています。オウム真理教における最終解脱など大嘘です。

 しかし、宗教とイデオロギーに一般常識は通じません。

 だから一般論においての嘘を躊躇いはしません。

 これは拙著「食べログ化する政治〜ネット世論と幼児化と山本太郎〜」に詳しく記しましたが、山本太郎参議院議員の当選に通じます。

 山本太郎氏は選挙期間中、嘘をつき続けました。
 今朝発売の週刊新潮における離婚報道ではありません。
 かれの

「チェリノブイリの4倍の避難基準」

 は虚言レベルの主張ですが、2年間かわらず主張し続け、すなわち嘘をつき続けて見事当選を果たします。

 既に指摘したように、善良なる一般市民は、嘘をつき続ける人が存在することを知らないからです。そして活動を続けることで、発言内容を問わなくなります。言い続けたという行動が、真実の証明と錯覚するからです。

 これが日本共産党が躍進した理由です。日本人のバカさと、善良さが滲み出たということです。山本太郎、日本共産党、オウム真理教(現アレフ、ひかりの輪)に通底します。

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“山本太郎と日本共産党とオウム真理教” への4件の返信

  1. まるで自分の意見ではなく、自分の意見がバランスが取れ多数派であなたの言葉を使えば「一般論」であるかのような書き方ですね。

    山本太郎の脱原発が失礼なホラで嘘と批判するあなたは嘘について否定的な立場をとっておりこれは僕も同じです。ならば。

    原発安全神話という嘘をついた人間達に対する批判がないのは非常に不思議ですね。処世術でしょうか?原発は事実停止しても問題がなかった訳です。原子力を推進した人間達は地震の利益の為に安全神話という嘘を付いたのではないのでしょうか?

    1. 具体例を示さずの批判に何を持って答えればよいのか分かりませんが、処世術とは何でしょう。それが放射脳でアリ、カルト宗教と同じキチガイなのですよ。
      原発が停止して問題が無い? それはとりあえず電気が供給されているという一面においてのみです。
      原発安全神話について肯定はしませんが、神話とは20年以上前のバブル崩壊までは「株も土地も下がらない」といっていたものと同じ、短期的な経験則からの誤認です。
      すべてのブログを読めとは言いませんが、わたしは30年以上前、原子力の仕組みを知ったときから「脱原発派」です。スリーマイル、チェリノブイリ、東海村など同時代を生きていますから。ほぼ同世代の山本太郎が「知らなかった」というたびにバカにつける薬はないという言葉を噛みしめています。

  2. 山本太郎の手紙問題についてネットを徘徊しているうちに辿り着いたので脱原発というスタンスというのは以外ですね。もちろん、このブログ初閲覧になります。

    具体例は嘘はイカンと説明したあなたが原発安全神話と原発必要説という明確な嘘に対する批判が無い事に疑問を持ってのコメントになります。ガソリン税、消費税、それらの無用な税金(消費税が無い時代があったのは事実)が無ければ火力も安くなる。キューバが石油危機時に行った時間帯や地域、施設毎の限定の停電という手もあります。日本列島は宇宙からみても日本列島の形を認識できるほど夜でも異様に明るい訳で。

    洋力、地熱、小水力、太陽光、最新風力と腐る程代替エネルギーはあるわけですが、原子力が経産省、政府にとって最も金になり、いつかは核ミサイルを装備するという人間の夢の為に世界最大lvの電気料金という形で負担させられてきた訳で。

    あなたが復興派なのか、避難派まではわかりませんが。
    失った福一周辺の価値と今後収束にかかる費用を考えれば原発必要説は嘘だとは考えないのでしょうか?

    1. 論点の異なることに答えろというのは甘えです。「何故かたどり着いた人」、あなたの主張はあなたのブログなりでおやりなさい。原発安全神話については先に述べた通り。それと代替エネルギーの現状認識において「腐るほど」あるのは細目であって、発電量はいまだ足りていません。原発必要説・・・とはいっていない、文章を読解してからコメントを寄せてください・・・が、ブログの全てを見てとはいいませんが、繰り返しになりますがいいたいことがあるならあ自分で発信しなさい。できれば実名でね。少しはあなたの望む世界に近づくかも知れませんよ。

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