福沢諭吉 国を支えて国を頼らず

舞台は昭和59年からはじまりビックリしました。
私の福沢諭吉は教科書で「学問のすすめ」を書いた作家さんで、
セレブリティを排出し内部進学者の学力に定評があるといわれる
慶応大学の創設者で、慶応年間にできたので慶応大学で、明治の
前の元号だというぷちトリビアぐらいでした。

あとは一年のウチに拝めることが数度しかなかったあこがれの
聖徳太子様を追い落としたという悪印象です。

これは聖徳太子までいくと訳が分からなく漠然と尊敬できるの
ですが、福沢さんだと「最近」の感じがしていやだったのです。

もっとも「だったら伊藤博文の千円札は」とつっこまれると
反論のしようがない変化への怖れでしかなかったのですが。

福沢さんに興味があったわけではなく作者の「北康利」さんの
「白洲次郎 占領を背負った男」からの新作だったの買ったので
すが・・・北康利さんの文章が好きです。

永沢光雄さんとは全く違う文体ですが、どちらもそこに人間が
いるのです。

福沢さんの生きた時代ということもありますが、とにかく沢山
の人が死んでいきます。

それだけ沢山の人との関わりを持っていたと言うことでもあり
ますが。

生きるということと同じだけの意味を「死」は持つ。

福沢諭吉伝ではあるのですが、命とそこに息づいていた魂と
誇りのバトンリレーを「見る」かのようです。

最初の「死」は福沢百助。御尊父様。

そして最期はご本人。

最初の死に夜通し駆けつけるのが中村栗園。
船着き場まで見送る様に男気を感じます。
たった1ページぐらいのシーンですがここではまりました。

そしてちょろっと出てくる退蔵さんは前作の読者をくすぐります。
思わず前作を開いて名前を探してしまいました。

時代を振り返れば立場により見方が変わるのでしょうが、
人間くさい福沢諭吉さんを好きになりました。

しかし、福沢家の方々はご先祖さまがお札になってどんな
気分なのでしょうかと本を閉じたときによぎってしまいました。

■福沢諭吉 国を支えて国を頼らず
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